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スペイン首都で住宅価格の高騰に抗議するデモ、数千人参加

スペインでは近年、住宅価格と賃料の急上昇が社会問題となっている。
2026年5月24日/スペイン、首都マドリード、住宅価格の高騰に抗議するデモ(AP通信)

スペインの首都マドリードで24日、住宅価格と家賃の高騰に抗議するデモが行われ、数千人の市民が中心部を行進した。参加者たちは「住む場所を返せ」「観光客ではなく隣人を」などと書かれたプラカードを掲げ、深刻化する住宅危機への対応強化を訴えた。デモはスペイン各地で広がる反観光・住宅難抗議の流れを象徴するものとなった。

スペインでは近年、住宅価格と賃料の急上昇が社会問題となっている。特にマドリードやバルセロナなど大都市では、若者や低所得層が住宅を確保できない状況が続いている。欧州連合(EU)の統計機関によると、同国の住宅価格は2025年末時点で前年から約13%上昇した。背景には観光需要の拡大に伴う短期民泊の増加や、移民人口増加による住宅需要拡大がある。

デモ参加者の中には、家賃負担に耐えられず親族との同居を続ける若者も多かった。28歳の女性教師はAP通信の取材に対し、「家賃が高すぎて一人暮らしは不可能だ。多くの若者にとって将来設計そのものが難しくなっている」と語った。また、大学教員の男性は「大家から突然の立ち退き通知を受けた。政府は対策を進めていると言うが、現実には値上げが続いている」と不満を訴えた。

サンチェス(Pedro Sánchez)首相率いる連立政権は住宅問題への対応として今春、今後4年間で70億ユーロ規模の公的住宅整備計画を発表した。若年層向けの住宅購入支援や公営住宅建設を柱とするが、野党や市民団体からは「規模が不十分」との批判が出ている。さらに、家賃凍結措置を延長する法案は議会で否決され、政権の求心力低下も指摘されている。

特に問題視されているのが観光向け短期賃貸の急増である。スペインは2025年に過去最多となる約9700万人の外国人観光客を受け入れたが、その一方で都市部では住宅が民泊に転用され、一般市民向け賃貸物件が減少した。政府はAirbnbなどを対象に規制強化を進めてきたが、最高裁判所は今月、観光用賃貸住宅の全国登録制度を無効とする判断を下し、対策は難航している。

中央銀行は国内で約70万戸の住宅が不足していると試算している。住宅危機は来年総選挙を控えるサンチェス政権にとって最大級の政治課題となっており、市民の不満は今後さらに高まる可能性がある。専門家からは「観光依存型経済と住宅政策の抜本的見直しが必要だ」との指摘も出ている。

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