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米国、ICCへの追加制裁を準備、オランダが機能維持へ対応急ぐ

米国はこれまで、ICCの現職・元職員10数人を制裁対象としている。
オランダ、ハーグのICC(国際刑事裁判所)本部(International Criminal Court)

オランダ政府が、米国による国際刑事裁判所(ICC)への新たな制裁に備え、ICCの機能維持に向けた対応を急いでいる。ICCはオランダ・ハーグに本部を置くため、制裁が実施されれば、オランダにも影響が及ぶ可能性がある。トランプ政権は制裁の規模や対象について、調整中としているが、オランダ側には制裁が近く発動されるとの説明があったという。

米国はこれまで、ICCの現職・元職員10数人を制裁対象としている。トランプ政権はICCが国家の主権を侵害し、権限を逸脱していると主張してきた。特に米国とイスラエルは、ICCがパレスチナ・ガザ地区での戦闘をめぐりイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相らに逮捕状を出したことに強く反発している。また、ICCがアフガニスタンにおける米軍の行為について捜査してきたことも米国の反発要因となっている。

新たな制裁が実施されれば、ICCはドル建ての金融サービスやITサービスへのアクセスを失う可能性があるほか、米国人職員への給与支払いなどにも支障が出る恐れがある。2025年に制裁対象となったICCの前主任検察官はマイクロソフトのメールサービスを利用できなくなったほか、銀行口座を凍結され、米国への入国も禁じられた。

ICCは制裁を想定し、すでに米国企業への依存度を下げる措置を進めている。今年にはマイクロソフト製品からドイツ企業のソフトウエアへ移行し、金融や保険についても米国との関係がない事業者への切り替えを進めた。オランダとICC側は、米企業との契約を整理するため、制裁発動から6カ月程度の猶予期間を求めている。

オランダと欧州連合(EU)は、欧州企業が米国の制裁に従うことを一定程度制限する「ブロッキング規則」の活用などを検討している。ただし、ICCはEUの機関ではないため、規則が裁判所自体をどこまで保護できるかは不透明だ。

ICCは2002年に設立され、戦争犯罪や人道に対する罪、ジェノサイドなどについて、国内司法当局が捜査・訴追できない場合に個人の責任を追及する役割を担っている。加盟国は125カ国に上る一方、米国、中国、ロシア、インド、イスラエルなどは加盟していない。

米国の圧力を背景に、ICC加盟国の一部では離脱の動きも出ている。ベネズエラやチャドが離脱方針を示しており、チャドは米国側からICCへの懸念を示され、加盟継続の見直しを求められたとしている。

新たな制裁が発動すれば、ICCの財政や業務だけでなく、国際司法制度におけるICCの位置づけにも影響を及ぼす可能性がある。

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