ハンガリー首都でプライドパレード、保守政権退陣後初、数万人が参加
オルバン前政権は約16年間にわたり保守的な価値観を掲げ、LGBTQ+に関する権利を相次いで制限してきた。
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ハンガリーの首都ブダペストで27日、LGBTQ+(性的少数者)の祭典「ブダペスト・プライド」が開催され、数万人が参加した。今年のプライドパレードは4月の総選挙でオルバン政権が退陣して以降、初めての開催となり、長年にわたりLGBTQ+の権利を制限してきた政権の終焉を象徴する催しとして注目を集めた。
会場には虹色の旗や欧州連合(EU)の旗を掲げた参加者が集まり、音楽に合わせて踊りながら市中心部を行進した。当日は欧州各地を襲った記録的な熱波の影響で気温が38度まで上昇したため、主催者は飲料水を配布し、市当局も噴水を開放するなど熱中症対策を講じた。参加者からは「ようやく安心して街を歩けるようになった」「恐怖ではなく希望を感じる」といった声が聞かれ、祝賀ムードに包まれた。
オルバン前政権は約16年間にわたり保守的な価値観を掲げ、LGBTQ+に関する権利を相次いで制限してきた。2021年には未成年者に対する同性愛や性別変更に関する情報提供を制限する法律を成立させ、その後も法的な性別変更の禁止や同性カップルによる養子縁組の制限などを進めた。さらに2025年にはプライドパレードを事実上禁止する法律を成立させ、警察は前年の行進を認めなかったが、多くの市民がこれに抗議して参加し、反政府デモとしては近年最大規模となった。
今年4月の総選挙では、中道右派のマジャル(Péter Magyar)首相率いるTISZA(尊敬と自由)が大勝した。新政権はプライドを禁じた法律をまだ撤廃していないものの、警察は今年の行進を許可し、沿道の警備にも当たった。こうした対応の変化はマジャル政権が個人の自由や集会の権利を重視する姿勢を示したものと受け止められている。
一方で、LGBTQ+当事者や支援団体は、差別的な法制度の多くが依然として残されていると指摘する。EUの司法機関は最近、2021年の反LGBTQ+法がEU法や基本的人権に反すると判断したが、国内法の改正はまだ実現していない。参加者の多くは今回の行進を政権交代を祝うだけでなく、同性婚の法制化や差別撤廃など、今後の制度改革を求める出発点と位置付けており、ハンガリー社会が多様性を尊重する方向へ転換できるかが引き続き問われている。
