スペイン首都で反政府デモ、与党の汚職疑惑に抗議
今回の抗議デモの背景には、サンチェス氏の家族や側近をめぐる複数の疑惑がある。
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スペインの首都マドリードで23日、サンチェス(Pedro Sánchez)首相の辞任を求める大規模デモが行われ、数万人の市民が中心部を行進した。デモ参加者はサンチェス氏の周辺で相次ぐ汚職疑惑や政権運営への不信感を理由に、総選挙の前倒しを要求した。警察によると、デモ隊の一部が首相府周辺のバリケード突破を試み、警察官少なくとも7人が負傷した。
主催者側は参加者数を約8万人と発表したが、警察は約4万人としている。参加者たちはスペイン国旗を掲げ、「もうたくさんだ」「選挙を実施せよ」といったスローガンを叫びながら市内を行進した。デモには保守派や極右政党ボックス(VOX)の支持者も多く参加、同党はサンチェス政権を「腐敗した政治マフィア」と非難した。
今回の抗議デモの背景には、サンチェス氏の家族や側近をめぐる複数の疑惑がある。サンチェス氏の妻であるゴメス(Begoña Gómez)夫人は汚職容疑で捜査を受けており、サンチェス氏の弟についても便宜供与疑惑で裁判を控えている。さらに、与党・社会労働党(PSOE)関係者の汚職やセクハラ疑惑も相次ぎ、政権への批判が強まっている。
これに対しサンチェス氏は一連の捜査について、「極右勢力による政治的攻撃だ」と主張し、自身や家族の不正を否定している。サンチェス氏は2024年にも妻への捜査開始を受け、一時辞任を検討したが、その後続投を表明した。現在も2027年まで任期を全うする姿勢を崩していない。
デモは全体としては平和的に進行したものの、一部の覆面姿の参加者が首相府周辺で警察と衝突した。地元テレビ局の映像では、警察が数人を拘束する様子も確認された。近年のスペインでは経済格差や政治不信を背景に大規模抗議が頻発しており、今回のデモも社会の分断を改めて浮き彫りにした。
