スウェーデン議会選挙、左派野党が僅差で優勢、極右は議席減、政権交代か
14日時点の暫定集計では、左派勢力が349議席中176議席、右派勢力が173議席を獲得する見通しで、3議席差となっている。
とアンデション前首相(ロイター通信).png)
スウェーデンで9月13日に行われた議会選挙(一院制、定数349)で、社会民主党のアンデション(Magdalena Andersson)前首相が率いる中道左派勢力が、クリステション(Ulf Kristersson)首相の右派政権を僅差で上回る情勢となった。14日時点の暫定集計では、左派勢力が349議席中176議席、右派勢力が173議席を獲得する見通しで、3議席差となっている。
今回の選挙で大きな変化となったのが、右派勢力の一角を占める極右のスウェーデン民主党の後退である。同党は移民規制の強化や犯罪対策を強く訴え、2022年以降は議会外からクリステション政権を支えてきた。しかし、今回は得票率が前回選挙より約3ポイント低下し、議席も約11減らす見込みとなった。スウェーデン民主党が国政選挙で得票率を落とすのは今回が初めてとみられる。
一方、今回の結果はスウェーデンが移民政策を再び寛容な方向へ戻すことを意味するわけではない。アンデション氏率いる社会民主党も、2010年代の難民危機以降、移民受け入れに厳しい立場へ転換しており、社会不安や犯罪への懸念を背景に、一定の規制強化を支持している。専門家からも、近年進んだ厳格な移民政策の流れは今後も維持されるとの見方が出ている。
選挙前、クリステション氏は右派政権を維持する場合、スウェーデン民主党を閣内に迎える方針を示していた。これに対し中道左派は社会民主党、緑の党、左翼党、中央党など複数政党の連携を模索しているが、税制や経済政策などで意見の隔たりがある。特に中央党は左翼党との連携を拒んでいるため、アンデション氏が安定した政権を構築できるかは不透明だ。
地元メディアによると、海外票や一部の選挙区で集計作業が続いている。有効票は約640万票で、両陣営の差は約2万9000票にとどまり、接戦となった。
仮に中道左派が政権を奪取すれば、アンデション氏は福祉への支出拡大、より公平な税制、社会的結束を主要政策として掲げることになる。また、外交・安全保障では、現在の親欧米路線とウクライナ支援を維持するとみられる。
今回の選挙は欧州各国で右派・極右勢力が伸長する中、スウェーデンではその流れに一服感が生じたことを示す一方、移民や犯罪をめぐる厳しい世論が消えたわけではない。
