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窮地に立たされるイギリス首相、辞任か党首選か、トランプ氏は退陣予想

転機となったのは、先週行われたイングランド北西部メイカーフィールド補欠選挙でのバーナム氏の圧勝だった。
2026年6月19日/イギリス、ロンドン北部、スターマー首相(AP通信)

イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相が政治生命を左右する重大な局面を迎えている。与党・労働党内で退陣を求める声が強まり、党内の有力者であるバーナム(Andy Burnham)氏の台頭を背景に、首相の進退を巡る憶測が一段と広がっている。

2024総選挙で歴史的大勝を収めたスターマー政権だったが、その後は支持率の低迷が続いている。物価高騰への対応や経済成長の停滞、医療や公共サービス改革の遅れなどに対する国民の不満が高まり、地方選挙でも苦戦を強いられた。こうした状況の中、党内では「次の総選挙を現体制で戦うのは危険」との見方が広がっている。

転機となったのは、先週行われたイングランド北西部メイカーフィールド補欠選挙でのバーナム氏の圧勝だった。長年にわたりマンチェスター市長を務めてきた同氏は、労働党支持層から高い人気を誇る。今回の勝利によって下院議員として政界への復帰を果たし、スターマー氏の有力な後継候補として一気に存在感を高めた。

スターマー氏は「党首選になれば戦う」と述べ、退陣を否定してきた。しかし、党内では閣僚経験者や有力議員らが公然と指導部刷新を主張し始めている。労働党重鎮の一部は、党の分裂を避けるためにもスターマー氏とバーナム氏が円満な権力移行について協議すべきだと訴えている。

BBCによると、スターマー氏は週末を首相公邸で過ごし、自身の政治的将来について熟考しているという。カイル(Peter Kyle)ビジネス・貿易‌相も首相が「政治的現実について考える時間を持っている」と認めており、退陣観測を完全には打ち消していない。

また、この問題は国外にも波及している。トランプ(Donald Trump)米大統領は自身のSNSでスターマー氏の辞任を予想し、移民政策やエネルギー政策の失敗を批判した。イギリス政府は公式な反応を示していないものの、同盟国である米国のリーダーが進退問題に言及する異例の事態となった。

仮にスターマー氏が辞任すれば、過去10年間で6人目の首相退任となる。近年のイギリス政治は保守党政権下でも首相交代が相次いだが、労働党政権でも同様の不安定さが表面化した形だ。首相が続投を選ぶのか、それとも円滑な政権移行に踏み切るのか。労働党の今後だけでなく、イギリス政治全体の行方を左右する数日間となりそうだ。

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