◎サンチェス氏は地元メディアのインタビューで、刑の抜け穴を突かれたと謝罪した。
2023年3月31日/中国、北京の在スペイン大使館、サンチェス首相(Ng Han Guan/AP通信)

スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相は16日、昨年10月に公布した「明示的な同意のない性行為をレイプと定める刑法改正」について、厳罰に処されるべき性犯罪者の刑期を短くしてしまったと謝罪した。

この法律「イエスだけがイエスを意味する(only yes means yes)」は女性が暴力や脅迫を受けたことを証明する必要がなく、「性行為における同意は、当人が各状況において、自身の意思を明確に示す行動を通じて自発的に示した場合にのみ認められる」としている。

改正以前、レイプと認められるためには、被害者側が暴力や脅迫を受けたことを証明しなければならなかったものの、改正後は不要となった。

サンチェス氏は地元メディアのインタビューで、「この改正に反対した議員を含む国会議員全員がレイプを許さず、性犯罪者の刑が短縮されることを望んでいない」と述べ、刑の抜け穴を突かれたと謝罪した。

内務省の統計によると、裁判所はこの法律に基づいて性犯罪者978人の刑を軽減したという。

法律は性的暴行が疑われる際、「口頭での同意」を重要な要素としている。

「口頭での同意」を可とした結果、性的暴行が疑われる事案で起訴された個人が「口頭で約束した」と主張する事案が多発した。

法律は性的暴行罪の刑期の考え方も大幅に見直している。この結果、被告が控訴・上告した場合、刑期を短くする判決が増えたようだ。

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