スペイン移民合法化プログラム、申請数90万件超える
この制度は国内で生活しながら法的資格を持たない移民に居住・就労資格を与えることを目的としており、サンチェス首相が今年1月に発表した。
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スペイン政府が4月から実施している不法滞在者の合法化制度への申請件数が90万件に達し、当初想定していた50万件を大幅に上回ったことが分かった。制度終了まで残り約2週間となる中、支援団体は最終的な申請件数が100万件を超える可能性が高いとみている。今回の結果は、移民の法的地位取得への強い需要を示すとともに、スペイン社会が抱える労働力不足と移民政策の課題を浮き彫りにしている。
この制度は国内で生活しながら法的資格を持たない移民に居住・就労資格を与えることを目的としており、サンチェス(Pedro Sánchez)首相が今年1月に発表した。対象となるのは一定期間国内に滞在し、犯罪歴のない移民などで、主に中南米やアフリカ出身者が恩恵を受けるとみられている。当初は約50万人が対象と見積もられていたが、予想を大きく超える申請が寄せられている。
政府の統計によると、4月以降、36万件の一時就労許可が発給された。申請が正式に受理された段階で就労が認められるため、多くの移民が建設業や観光業、高齢者介護など慢性的な人手不足に悩む分野で働き始めている。政府は移民の正規雇用化を進めることで、社会保険料収入の増加や地下経済の縮小につなげたい考えだ。
近年のスペイン経済はEU主要国の中でも高い成長率を維持している。その背景には移民労働者の存在があるとみられ、観光業や介護分野を中心に労働力不足を補ってきた。政府は少子高齢化が進む中で、移民の受け入れを経済成長と社会保障制度維持のための重要な政策と位置付けている。
一方で、急増する申請への対応能力を不安視する声も根強い。移民当局は以前から審査の遅れが指摘されており、多くの移民が難民申請や在留資格審査の結果を数年間待たされてきた。シンクタンクの推計では、約84万人の不法滞在者が長期間にわたり法的地位を得られない状態に置かれているという。当局は制度開始前から人員不足を訴え、ストライキも検討された。
支援団体は今回の制度を評価しながらも、一時的な救済策にとどめるべきではないと主張する。難民支援団体CEARは15日、社会の周縁に取り残される人々を生まないためにも、就労許可や居住資格への恒常的なアクセス手段を整備する必要があると指摘した。欧州各国で移民規制強化の動きが広がる中、スペインの移民合法化政策は異例の取り組みとして注目を集めており、その成否は今後の欧州移民政策にも影響を与える可能性がある。
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