スペイン移民合法化プログラム、61万人が就労許可を取得、審査続く
今回の制度は2025年末までに少なくとも5か月間スペイン国内に居住し、犯罪歴がない不法滞在者を対象に実施された。
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スペイン政府が4月から先月末まで実施した不法滞在者の合法化制度で、在留資格の取得を申請した不法滞在者のうち約60万9000人が審査期間中に一時的な就労許可を取得し、正規の労働市場で働けるようになったことが2日、明らかになった。申請者は当初の政府想定を大幅に上回る約117万人に達し、移民を労働力として取り込み、深刻な人手不足の解消につなげようとするサンチェス政権の政策が本格的に動き始めた。
今回の制度は2025年末までに少なくとも5か月間スペイン国内に居住し、犯罪歴がない不法滞在者を対象に実施された。申請期間は26年4月16日から6月30日までで、審査を受ける間は1年間有効の更新可能な一時就労許可が付与される。これにより、従来は非公式な労働市場で働かざるを得なかった移民が、社会保障制度に加入しながら合法的に就労できるようになる。
政府によると、一時就労許可を取得した60万9737人のうち、約16万人は6月末までに正式な雇用契約を結び、建設業、観光業、運輸業、介護分野など人手不足が深刻な業種で働き始めている。また、約1万1000人には正式な1年間の在留許可がすでに交付された。政府は企業との連携を強化し、より多くの移民を労働市場へ円滑に受け入れる体制づくりを進めている。
申請者の大半は中南米諸国の出身者で、全体の約81%が45歳未満、約57%を男性が占める。申請総数は政府が当初見込んでいた50万人を2倍以上上回り、スペイン史上最大規模の在留資格正規化策となった。政府は3カ月以内を目標に審査を進める方針だが、膨大な件数を処理するため行政機関の負担増も課題となっている。
スペインは近年、欧州諸国の中でも移民受け入れに積極的な姿勢を維持してきた。高齢化や出生率低下による労働力不足を背景に、移民が経済成長や社会保障制度の維持に不可欠との考えを政府は示している。一方で、野党や右派勢力は大規模な正規化がさらなる不法移民を呼び込み、住宅や医療、教育など公共サービスへの負担を増大させると主張している。制度をめぐる議論は、今後の移民政策や国内政治にも大きな影響を与える見通しである。
