スイス・ジュネーブ反G7デモ、暴徒がテスラ車に放火、国連施設も標的に
デモには環境保護団体や反資本主義団体、女性の権利擁護団体、親パレスチナ活動家らが参加した。
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フランス東部エビアンで6月15日に開幕するG7サミットを前に、隣国スイスのジュネーブで14日、大規模な反G7デモが行われ、一部参加者が暴徒化して警察と衝突した。抗議者たちは米電気自動車大手テスラの車両に放火したほか、国連機関の建物や銀行の窓ガラスを破壊し、警察は催涙ガスを使用して鎮圧にあたった。
デモには環境保護団体や反資本主義団体、女性の権利擁護団体、親パレスチナ活動家らが参加した。当初は平和的な行進として始まったが、中心部に差しかかると一部の過激派が路上の石やレンガを投げ始め、破壊行為に及んだ。目撃者によると、国連の国際電気通信連合(ITU)の建物で窓ガラスが割られ、路上に駐車されていたテスラ車が炎上した。黒煙が市街地上空に立ち上る様子も確認された。
警察は暴徒の進行を阻止するため催涙ガスを発射し、機動隊を投入した。抗議者側も石や発煙筒を投げるなどして抵抗、市中心部が騒然となった。地元当局は事前に混乱を警戒し、多くの商店や銀行が窓を板で覆うなどの防護措置を取っていた。
今回の抗議はG7を「政治的・経済的権力が集中する象徴」と批判する市民団体によって組織された。参加者たちは経済格差や気候変動対策の遅れ、富裕層への権力集中などに反発し、「もう一つの世界は可能だ」などと訴えた。特に世界一の富豪であるテスラのイーロン・マスク(Elon Musk)氏に対する批判も目立ち、テスラ車への放火は富の集中に対する抗議の象徴的行為とみられている。
一方、フランスとスイス両国はサミット期間中の治安維持を最重要課題としている。フランス当局は1万6000人規模の治安部隊を投入し、国境検問の強化やドローンによる監視を実施している。スイス側も多数の警察官を配置し、両国間の27か所の国境検問所を一時閉鎖するなど厳戒態勢を敷いている。
エビアンで17日まで開かれるG7サミットには米国、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、フランスの首脳に加え、欧州連合(EU)首脳らが出席する予定である。会議ではウクライナ情勢や中東問題、世界経済の不安定化、人工知能(AI)規制などが主要議題となる見通しだ。各国首脳の到着を目前に控える中、今回の暴動はサミットの警備体制と社会的対立の深刻さを改めて浮き彫りにした。
