◎イタリア南部の島々とアフリカ北部・チュニジアの海岸は150キロほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
イタリア、シチリア島沖、亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

イタリア南部シチリア島沖で移民約60人を乗せた漁船が座礁し、5人が死亡、少なくとも20人が行方不明になっている。沿岸警備隊が29日、明かにした。

それによると、巡視艇は28日早朝、島の南西部の海岸で5人の遺体を発見したという。

沿岸警備隊は声明で、「生存者の証言によると、漁船は26日深夜に約60人を乗せてチュニジアを出発した」と明らかにした。

また同隊は「少なくとも20人が行方不明になったとみられ、周辺海域を捜索している」とした。

地元テレビ局は関係者の話しとして、「島の南西部に泳ぎ着いた数十人は移民収容センターに送られた」と伝えている。

イタリア南部の島々とチュニジアの海岸は150キロほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。

イタリア内務省によると、今年1月以来、14万2000人以上の移民が同国に到着したという。

地中海は世界で最も危険な移民ルートのひとつであり、国際移住機関(IOM)によると、今年に入ってから少なくとも2500人がこのルートを横断中に死亡または行方不明になった。

不法入国者の取り締まりを公約に掲げていた右派のメローニ(Giorgia Meloni)首相率いる連立政権は最近、移民の収容期間を延長するなど、入国者を制限する厳しい規則を承認した。

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