◎ドイツは長い間、ウクライナを含む紛争地域に殺傷力のある兵器を輸出しないという方針を貫いてきた。
2022年2月26日/ジョージア州アトランタで開催された反戦デモ(Mike Stewart/AP通信)

2月26日、ドイツ政府は対戦車兵器を含む武器やその他の物資をウクライナに送り、ロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)排除を支持すると発表した。

オラフ・ショルツ首相は声明の中で、対戦車兵器1,000発と地対空ミサイル「スティンガー」500発を可能な限り速やかにウクライナに送ると述べた。

またショルツ首相はロシア軍の侵攻について、「戦後秩序を脅かすものであり、ウラジーミル・プーチン大統領の侵略軍からウクライナを守るために可能な限りの支援を提供する」と約束した。

ドイツ通信社は、「ドイツ政府はオランダに対し、ドイツ製対戦車兵器400発をウクライナに送ることを許可した」と報じた。

ドイツは長い間、ウクライナを含む紛争地域に殺傷力のある兵器を輸出しないという方針を貫き、政府高官も25日にその方針を遵守すると述べていた。

ドイツはウクライナ政府関係者や他の同盟国から、ロシアの侵攻を阻止するための支援が足りないと何度も批判されてきた。以前、ドイツ政府はウクライナにヘルメット5,000個を提供し、批判の嵐に見舞われた

ドイツ通信社によると、政府は装甲車14台と最大1万トンの燃料もウクライナに送る予定。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ロシアとの会談に前向きであると強調した。

ゼレンスキー大統領は26日のビデオメッセージで、トルコのエルドアン大統領とアゼルバイジャンのアリエフ大統領から、会談の開催に協力するとの申し出があったと明らかにした。

またゼレンスキー大統領は、「エルドアン大統領は黒海へのロシア軍艦の通航禁止が重要であることに同意した」と述べ、「措置はまもなく取られる」と強調した。

しかし、トルコ政府は今のところ、トルコ海峡からロシア軍艦を締め出すとは発表していない。

ゼレンスキー大統領は「ウクライナの外交官はロシアをSWIFTから排除するよう欧州の同盟国を説得した」と述べ、SWIFT排除によりロシアは何十億ドルもの代償を支払うことになると述べた。

ドイツ政府もロシアのSWIFT排除を支持すると述べたが、米国とEU当局は26日13時の時点で新たな制裁を発表していない。

米国はロシア中央銀行への制裁を検討している。AP通信によると、ホワイトハウスの高官はロシア政府が自由に使える6,000億ドル以上の外貨準備をターゲットにしていると認めたという。

ただし、高官によると、ジョー・バイデン大統領はロシア中央銀行に対する制裁をまだ承認していないとのこと。この制裁はロシア経済だけでなく世界経済に大きな影響を与える可能性がある。

西側諸国のウクライナバックアップ作戦は加速しており、ロシアの孤立が際立ってきた。

国連のグテーレス事務総長は26日にゼレンスキー大統領と電話会談し、ウクライナに対する人道支援を強化すると伝えた。

バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアはロシアの航空会社を領空から締め出すと発表した。措置の発動時期は明らかにされていない。

ポーランドもウクライナに兵器を提供している。現地メディアによると、両国の国境付近には多くのポーランド兵が押し寄せ、兵器を受け渡しているという。

ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は26日、ウクライナのEU加盟を認めるべきとツイッターに投稿した。

NATO加盟国のスロベニアとチェコは国内にあるロシア機用の飛行場を閉鎖した。スロベニア政府は26日の声明で、「ロシアで登録されたすべての航空機と、ロシアに拠点を置き、ロシアの管轄当局から認可を受けた運航会社に関連する禁止令を出した」と発表した。

チェコも国内に拠点を置くロシアの航空会社に対してチェコの空港の使用を禁止している。

移民の受け入れに否定的なハンガリーのオルバーン首相は、ウクライナから逃れた市民をひとり残らず受け入れると誓った。

国連難民機関によると、ロシアの侵攻後、12万人近くがウクライナからポーランドなどに避難したという。最も多いのはポーランドで、政府によると、過去48時間で10万人以上が国境を越えた。ポーランドには200万人のウクライナ人が定住している。

2022年2月26日/ウクライナ、首都キエフの郊外、ウクライナ兵(Efrem Lukatsky/AP通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク