◎ウクライナの人口4300万人のほとんどが正教徒であり、ユリウス暦に基づいて、欧米のキリスト教徒より1週間遅れて復活祭を祝う。
2023年4月9日/ウクライナ、東部ハルキウ州、ロシア兵の遺体を収容するウクライナ兵(Andrii Marienko/AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は9日、復活の主日にもかかわらずロシア軍が全土で空爆を仕掛けたことを非難した。

ゼレンスキー氏はビデオ演説の中で「これがテロ国家の復活祭(イースター)の祝い方だ」と断じた。

南部ザポリージャ州のウクライナ当局によると、直近24時間で18の町と村がロシア軍の砲撃を受け、民間人少なくとも3人が死亡、5人が負傷したという。

犠牲者の妻および母親とみられる女性2人は瓦礫の中から救助された。

ロシア国防省は9日、ザポリージャ近郊の燃料基地および、東部地方のウクライナ軍施設(ミサイル、弾薬、大砲を保管する倉庫)を破壊したと主張した。

ウクライナ軍参謀本部によると、東部ドネツク州の要衝バフムートでは激戦が続いているものの、ロシア軍の攻撃は勢いを失っているという。

米シンクタンク戦争研究所も9日、東部地域に対するロシア軍の攻勢がピークに近づいているという見方を示す一方、ロシア軍の攻撃は支配地域の拡大ではなく、ウクライナ軍の春の大規模反攻に備えることを目的としていると指摘した。

ゼレンスキー氏は東部の陣地を守る部隊を称賛し、来年の復活祭は平和と自由の中で行われることを希望すると表明した。

ウクライナの人口4300万人のほとんどが正教徒であり、ユリウス暦に基づいて、欧米のキリスト教徒より1週間遅れて復活祭を祝う。

バチカンのフランシスコ(Pope Francis)教皇は演説で、「負傷者と愛する人を失ったすべての人々を慰め、愛するウクライナ市民の平和への旅を助け、ロシア市民に復活祭の光を当ててほしい」と神に求めた。

ウクライナ軍参謀本部は直近24時間でロシア軍の攻撃を40回以上撃退したと報告している。

ロシア軍はバフムートの奪取を東部のクラマトルスクやスラビャンスクといった東部の戦略的に重要な拠点のひとつとみなしている。

ウクライ軍はロシア軍から執拗に攻撃を受けてもバフムートを防衛すると公言しているが、ゼレンスキー氏は最近、必要に応じてバフムートから撤退することもあり得ると認めた。

ウクライナ当局によると、東部ハルキウ州やザポリージャ州にミサイル・ロケット・砲弾が撃ち込まれたという。

東部ハルキウ州知事は9日、ロシア軍の砲撃が住宅地を直撃し、男性2人が死亡、1人が重傷を負ったと報告した。それによると、30歳の男性が重体だという。

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