◎西側諸国はロシアが食料を兵器化し、世界を脅迫していると非難している。
2022年6月7日/ロシアのショイグ国防相(左)とトルコのアカル国防相(Vadim Savitsky/Russian Defence Ministry Press Service/AP通信)

トルコ国防省は7日、アカル(Hulusi Akar)国防相がロシアのショイグ(Sergei Shoigu)国防相と会談し、ウクライナ南部の穀物輸送やシリア情勢について協議したと発表した。

NATO加盟国のトルコはロシアとウクライナの主要や仲介役を務めている。トルコはウクライナへの支持を表明しているが、西側の対ロシア制裁には参加していない。

トルコ国防省によると、両大臣は穀物、ひまわり、その他すべての農産物を安全に輸送する人道回廊の設置に必要な手段を協議したという。

国連もウクライナの穀物輸送とシリアの人道回廊設置に向けた取り組みを進めている。

ウクライナ南部の港に滞留している穀物を安全に輸出するためには、機雷を除去し、貨物船の安全を保証する必要がある。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領によると、黒海に面する港には2000万トン以上の穀物が滞留しており、輸出を再開できなければ、その量は今年秋までに7000万~7500万トンに膨れ上がる可能性があるという。

国連はウクライナの穀物をオデーサなどの港から出荷できるようにする取引を仲介しようとしている。ロシアは西側諸国が制裁を解除すれば穀物の輸送を認めるとしている。

西側諸国はロシアが食料を兵器化し、世界を脅迫していると非難している。一方、ロシアは貨物船が航行できなくなったのはウクライナ軍が設置した機雷とロシアに対する制裁のせいと非難している。

イギリスの農相は7日、ロシアがウクライナの占領地から穀物を盗んだという疑惑について、直ちに調査するよう求めた。ロシア軍は支配下に置いた南部ヘルソン州などの穀物倉庫を襲ったと伝えられている。

ロシアはウクライナ当局の告発を否定している。ウクライナ政府は先週、ロシアが盗んだ穀物を2014年に併合したクリミアからトルコに輸出していると主張していた。また同政府は、盗んだ小麦10万トンがシリアに輸出されたと指摘している。

ウクライナの副経産相は7日、ロンドンで開催された国際穀物協会(IGC)の会議で演説し、「盗んだ穀物で収益を上げようとするロシア企業の評判は地に落ちるだろう」と語った。

ウクライナ政府によると、港の封鎖が解除されなければ、同国の1カ月の穀物輸出量は200万トンにとどまるという。侵攻以前は月に600万トンを輸出していた。

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