◎ロシアの支援を受ける分離主義者とウクライナはドンバス戦争の停戦協定「ミンスクⅡ」に2015年に合意したが、東部国境付近では小規模な衝突が続いている。
2021年4月18日/バチカン市国、サンピエトロ広場に集まった人々に手を振るフランシスコ教皇(AP通信/アンドリュー・メディチーニ)

4月18日、フランシスコ教皇はウクライナ東部国境付近に侵攻したロシア軍の動きに懸念を表明し、ロシアとウクライナ政府に緊張の緩和と和解に向けた交渉を加速させるよう求めた。

ロシアは先日、ウクライナ東部ドンバス地方の分離主義者(ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、その他の反政府勢力)を支援するために兵士約41,000人を派遣し、2014年に強奪したクリミアにも約42,000人の大隊を配備した。

ロシアの支援を受ける分離主義者とウクライナはドンバス戦争の停戦協定「ミンスクⅡ」に2015年に合意したが、東部国境付近では小規模な衝突が続いている。

フランシスコ教皇はサンピエトロ広場に集まった市民に、「軍事活動の拡大を非常に心配しています」と語りかけた。「緊張の高まりが解消することを強く望んでいます。私は相互の信頼を促進し、回復し、お互いを慈しみ、和解と平和を実現できると信じています」

「ロシアとウクライナの人々が直面している深刻な人道的状況を心に留めてください。私たちは和解と平和に向けたジェスチャーを世界に示し続けます」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は東部国境付近の兵力を増強したロシアを非難している。しかし、ロシアは、東部国境付近に配備されたウクライナ軍とNATO軍がドネツク人民共和国(自称)、ルガンスク人民共和国(自称)、クリミア共和国(自称)に圧力をかけていると主張し、兵力の増強を正当化している。

ロシアのドミトリー・コザク副首相は先日、「ロシア軍は3国の住民を守るだろう」と述べ、ウクライナ軍とNATO軍に動きがあった場合、行動を開始すると警告した。

アメリカとNATOはウクライナ東部の最近の情勢について、「ロシア軍の動きは、2014年のウクライナ侵略と分離主義者とのドンバス戦争開戦以来、最も激しくなっている」と述べた。

ロシアはウクライナ東部を自国の領土と主張し、「ロシア軍は自国の領土内で訓練を行っているだけであり、近隣諸国に文句を言われる筋合いはない」とアメリカとNATOの撤退要求を却下している。

2021年4月18日/バチカン市国、サンピエトロ広場、フランシスコ教皇の演説を聞くシスターたち(AP通信/アンドリュー・メディチーニ)
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