◎「ポレグジット(ブレグジットの造語)」を望まない多くの国民がEU離脱反対デモを開催した。
2021年10月10日/ポーランド、首都ワルシャワの広場、EU残留を支持する抗議デモ(Czarek Sokolowski/AP通信)

10月10月、ポーランドの首都ワルシャワを含む全国各地で「ポレグジット(ブレグジットの造語)」を望まない多くの国民がEU離脱反対デモを開催した。

ポーランドの憲法裁判所は7日、ポーランドの憲法はEU法より優先されると裁定し、EU法優位の原則を否定した。この判決に欧州委員会は強い懸念を表明し、EU法の完全性を確立するためにあらゆることをすると誓った。

ワルシャワのデモ参加者は約10万人と見積もられている。

保守的なポーランド政府を批判する一部の専門家は、憲法裁判所の判決がポレグジットにつながる可能性があると警告した。地元メディアが最近行った世論調査によると、回答者の約8割が2004年のEU加盟を支持したという。

ワルシャワのキャッスルスクエアに集まった人々はEUの旗を掲げ、「私たちはEUにとどまる!」と連呼した。

デモを主催した野党指導者のドナルド・トゥスク議員はさらなる平和的なデモを呼びかけ、国民に民意を示すよう促した。

トゥスク議員は与党「法と正義の統治党(PiS)」を率いるヤロスワフ・カチンスキ議長を強く非難した。カチンスキ議長は裁判所に与党寄りの判事を送り込み、欧州委員会と6年近く対立してきた。

ポーランドのEU加盟は、40年以上にわたる社会主義体制に耐えてきた国民に加盟国間の移動の自由と劇的な経済成長をもたらした。

トゥスク議員は群衆に、「判事の服を着たPiSの工作員はポーランドの憲法を破壊し、私たちの国をEUから引き離そうとしています」と語った。「私たちはPiSがEUを去りたい理由をよく知っています。彼らは基本的人権を侵害し、民主主義の原則を破壊しようとしています...」

一方、ワルシャワで小規模な集会を開催したカチンスキ議長はEU離脱を望んでいるという野党の主張を否定した。しかし、PiSの一部の議員は離脱を促す発言を繰り返している。

PiSのヤセク・サシン議員はポレグジットを「弱い野党が考えた言葉」と呼び、国営放送は全国各地で開催されたデモを、「左翼がポーランドの憲法に反対」という見出しで紹介した。

ポーランド人民共和国時代の社会主義政権に反対しノーベル平和賞を受賞したレフ・ヴァウェンサ氏は、港湾都市グダニスクのデモに参加した人々を称賛した。

憲法裁判所はPiS寄りの判事で構成されており、一部は元党員である。EU法優位の原則を否定する7日の判決はEUに対する挑戦と見なされ、物議を醸した。

マテウシュ・モラヴィエツキ首相は今年3月、最高裁判所の判事任命におけるポーランドの新しい法律はEU法に違反していると欧州司法裁判所が裁定したことを受け、異議を申し立てた。

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