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ポーランドとリトアニア、NATO核抑止力におけるより大きな役割を模索

今回の動きの背景には、ロシアによるウクライナ侵攻以降の安全保障環境の悪化がある。
フランスのマクロン大統領(左)とポーランドのトゥスク首相(Getty Images/AFP通信)

ポーランドとリトアニアがNATOの「核抑止戦略」における自国の役割拡大について、米国や同盟国と協議していることが明らかになった。両国は米国の核兵器を軸とするNATOの核共有体制の中で、東欧防衛を強化する方向性を模索している。ただし、核兵器の自国配備を直ちに求めているわけではなく、あくまで作戦・運用面での関与拡大が焦点となっている。

ポーランドの国防副大臣は3日、地元テレビのインタビューで「核抑止の条件を改善し、ポーランドが重要な役割を果たすために協議を行っている」と述べ、議論が進行中であることを認めた。一方で、核兵器の国内配備については「極めて重大な政治的問題であり、現時点で計画はない」と否定した。

リトアニア側も同様に協議の存在を認めている。リトアニア国防省関係者は議論が機密性を伴うものであるとし詳細には言及しなかったが、「協議は進行中であり、リトアニアも傍観しているわけではない」と強調した。

今回の動きの背景には、ロシアによるウクライナ侵攻以降の安全保障環境の悪化がある。NATOの東方諸国、とりわけロシアおよびベラルーシと国境を接するポーランドやバルト三国では軍事的緊張の高まりを受けて抑止力強化の必要性が強く意識されている。米国の対欧州関与のあり方が変化する可能性が取り沙汰される中で、同盟全体としての核抑止態勢の信頼性維持が課題となっている。

NATOの核抑止はベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、イギリスなどに配備された米国の核兵器と、それを運用可能な「デュアル・キャパブル航空機(DCA)」を中心に構成されている。今回の議論ではポーランドやバルト諸国がこの枠組みにより深く関与し、作戦計画や運用訓練などの面で役割を拡大する可能性が検討されている。

一部報道では、米国が新たな欧州諸国への核配備拡大に前向きな姿勢を示しているとされるが、米政府とNATOは公式な決定はないとしている。また、ポーランド国内では過去にも核兵器配備への関心が示されてきた一方で、政治的影響や対ロシア関係への緊張激化を懸念する慎重論も根強い。

さらに欧州では、フランスが主導する独自の核抑止協力枠組みに参加する動きも広がっており、NATOの枠組みと並行して欧州防衛の多層化が進みつつある。これにより、欧州の核抑止体制は米国依存からの一部分散と、地域主体の関与強化という二重の方向性を帯びている。

専門家は今回の動きを「核抑止の地理的・政治的再編の一環」と位置付ける一方で、核兵器そのものの前線展開ではなく、同盟国間の協力深化にとどまる可能性が高いと指摘している。NATO東方における抑止力強化はロシアに対する軍事的メッセージであると同時に、同盟の結束を内外に示す意図もあるとみられている。

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