◎北マケドニアは欧州で最も汚染された国と呼ばれている。
北マケドニア、首都スコピエの中心部(Getty Images)

北マケドニア政府は25日、主要都市のスモッグ濃度が上昇したとして、緊急措置を講じると発表した。

対象地域は首都スコピエと他の3都市。日曜日とスモッグ濃度が上昇した日は屋外活動を制限する必要があり、スポーツイベントも開催できない。

また26日からは建設部門の作業時間を午前11時から午後5時の6時間に制限する。

首相府の報道官は企業に対し、テレワークを活用し、妊婦と60歳以上の労働者の屋外業務を減らすよう勧告した。

また報道官は排気ガスを減らす取り組みとして公用車の使用を半分に減らし、保健省にはホームレスにシェルターを提供し、呼吸器に疾患を持つ市民の支援を強化するよう命じた。

気候活動家や環境保護団体はこの数日、政府に行動を起こすよう呼びかけるデモやロビー活動を行っていた。

世界保健機関(WHO)によると、スコピエの大気汚染レベルは世界トップクラスだという。

スイスに拠点を置く企業「IQAir」は今週、世界の大気汚染ランキングを発表し、スコピエは3位にランクインした。1位はキルギスの首都ビシュケク、2位はパキスタンのラホール。

IQAirによると、スコピエの大気中のPM10とPM2.5粒子の濃度はWHOが定めた安全基準値の約28倍に達したという。

北マケドニアは欧州で最も汚染された国と呼ばれている。保健当局は毎年3000人以上が大気汚染により死亡していると推定している。

大気汚染の主な原因は▽冬に家庭用薪ストーブを多用すること▽古い自動車の排ガス▽一部地域で行われているゴミ焼却処理にある。

最近のエネルギー価格の高騰で薪ストーブの需要はさらに高まっているようだ。

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