◎ポーランド、チェコ、スロベニアはNATO加盟国であり、誤爆を含むロシア軍の攻撃で首脳らが被害を受ければ、3カ国はロシアの宣戦布告と見なす可能性がある。
左からポーランドのモラヴィエツキ首相、チェコのフィアラ首相、スロベニアのヤンシャ首相(Getty Images/AFP通信/EPA通信/AP通信)

3月15日、NATO加盟国のポーランド、チェコ、スロベニアの首相が鉄道でウクライナの首都キエフに到着した。

ウクライナ政府は危険を冒してキエフにたどり着いた3カ国の指導者を熱烈に歓迎し、勇気を称えた。

主要メディアによると、3首相は15日の夕方に到着したという。

戦場会談を計画したポーランドのモラヴィエツキ首相はツイッターに、「キエフで歴史が作られつつある」と投稿した。「自由が専制政治の世界と戦うのはここだ。キエフに私たち全員の未来がかかっている!」

またモラヴィエツキ首相は今回の訪問について、「ウクライナに友人の助けを当てにできるというメッセージを送るためのもの」と説明した。

EU当局は訪問に反対したが、3首相は譲らなかった。

モラヴィエツキ首相、チェコのフィアラ首相、スロベニアのヤンシャ首相は2月24日の侵攻開始以来、初めてゼレンスキー大統領と会談するためにウクライナを訪問した国際指導者である。

EU当局によると、3首相は特定の任務を担っているわけではないが、先週フランスで行われたEUサミット内でキエフ訪問について話し合ったため、EUの指導者は訪問を認識しているという。

ポーランドの副外務大臣はリスクが高いことを認めながらも、「行動する価値はある」と述べている。大臣によると、ロシアにもキエフを訪問する旨を伝えているという。

3首相は軍用機でウクライナ領空に入るのは危険と考え、列車での移動を決めたと伝えられている。帰国に関する情報は明らかにされていない。

3首相はいずれもウクライナを強く支持しており、スロベニアのヤンシャ首相は先週、「EUはウクライナの加盟を近いうちに認めるという強いメッセージを送るべき」と述べた。

チェコの外相は英BBCニュースのインタビューの中で、「今回の訪問はウクライナとの連帯を示す強力かつ重要なジェスチャーである」と述べている。「ウクライナの安全は欧州の安全である。したがって、この”気持ち悪い野蛮なロシアの攻撃”から生き残るために、我々はできる限りのことしなければならない」

キエフのクリチコ市長はロシア軍の攻撃が激化したことを受け、夜間外出禁止令を発効した。期間は15日の20時~17日の7時まで。

ゼレンスキー大統領は、ウクライナの領空を飛行禁止区域に設定するようNATOに繰り返し求めているが、NATOはこの要求を拒否している。

ゼレンスキー大統領は先日の会見で、「ウクライナの人々は自分たちがNATOに加盟できないことを理解している」と述べていた。

ポーランド、チェコ、スロベニアはNATO加盟国であり、誤爆を含むロシア軍の攻撃で首脳らが被害を受ければ、3カ国はロシアの宣戦布告と見なす可能性がある。

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