NATOサミット開幕、数百億ドル規模の防衛装備契約発表、トランプ氏のグリーンランド発言で波紋も
トランプ氏は会議初日からデンマーク自治領グリーンランドは米国が管理すべきだとの持論を改めて展開し、同盟内に新たな波紋を広げた。
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北大西洋条約機構(NATO)は7日、トルコ・アンカラで開幕した首脳会議に合わせ、防空・監視・空中給油能力を強化する総額数百億ドル規模の防衛装備契約を発表した。欧州各国が防衛力強化への取り組みを具体的に示すことで、加盟国の国防費負担が不十分だと繰り返し批判してきたトランプ(Donald Trump)米大統領に同盟の結束をアピールする狙いがある。一方、トランプ氏は会議初日からデンマーク自治領グリーンランドは米国が管理すべきだとの持論を改めて展開し、同盟内に新たな波紋を広げた。
NATOのルッテ(Mark Rutte)事務総長は「経済力を軍事力へ転換しなければならない」と強調し、防衛産業の抜本的な強化を呼び掛けた。今回公表された事業には、老朽化した早期警戒管制機(AWACS)の後継として、スウェーデンの防衛企業SAABの「グローバルアイ」最大10機を導入する計画や、エアバス製空中給油・輸送機の共同調達、さらに4カ国による無人偵察機「トライトン」最大5機の共同購入などが含まれる。これらの一部は欧州連合(EU)が設けた防衛融資制度も活用して進められる予定である。
一方、トランプ氏は7日、トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領との会談後、「グリーンランドはデンマークではなく米国が管理すべきだ」と述べ、中国やロシアの北極圏での活動を理由に戦略的重要性を強調した。この発言は加盟国の領土保全を相互に保障するNATOの基本理念と相容れず、欧州諸国の反発を招く可能性がある。
さらにトランプ氏は、ロシア製S400地対空ミサイルシステム導入を理由に米国が科していた対トルコ制裁を解除する方針を表明し、同国へのF35戦闘機売却についても前向きな姿勢を示した。トルコは2019年にF35共同開発計画から除外されていたが、エルドアン氏は計画復帰への期待を表明していた。ただし、ロシア製防空システムを保有する限り法的な障害は残っており、実現にはなお時間を要するとみられる。
一方、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はサミットに合わせてNATO加盟を改めて訴え、ロシアとの戦争で培った実戦経験は同盟全体の防衛力向上につながると主張した。NATOはロシアによるサイバー攻撃や領空侵犯など「ハイブリッド攻撃」への警戒を強める一方、加盟国への直接攻撃は抑止できているとの認識を示している。
サミット初日では防衛力強化で一定の成果を示したNATOと、加盟国への負担増や外交姿勢で独自色を打ち出すトランプ氏との温度差が改めて浮き彫りとなった。
