フランス全土で抗議デモ、賃上げと学生支援を要求、政府への圧力強まる

パリでは市中心部の広場を出発点にデモ行進が行われ、学生らが「格差は私たちの未来を脅かす」などと書かれたプラカードを掲げた。
2026年11月5日/フランス、パリ市内、政府に抗議するデモ(AP通信)

フランス全土で5日、賃上げや教育環境の改善を求める抗議デモとストライキが実施された。内務省によると、参加者は全国で60万人を超えた。一方、労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」は約160万人が参加したと主張した。学生運動から始まった抗議は労働者や年金生活者にも広がり、マクロン政権に対する社会的圧力が強まっている。

パリでは市中心部の広場を出発点にデモ行進が行われ、学生らが「格差は私たちの未来を脅かす」などと書かれたプラカードを掲げた。労働者や年金生活者も加わり、最低賃金の引き上げ、年金増額、物価高対策、公共サービスの充実を訴えた。リヨンやマルセイユなどの主要都市でも同様のデモが行われた。

抗議運動は9月、パリ南東部の高校で教職員不足や劣悪な学習環境に不満を持つ生徒らが始めた。教育予算の拡充を求める学生運動に、生活費の上昇や賃金停滞に苦しむ労働者がこれに合流し、全国規模の運動に発展した。高校の約3分の1が休校を余儀なくされ、鉄道や公共交通機関にも運休や遅延が生じた。観光名所のエッフェル塔も閉鎖された。

政府は治安維持のため、全国に警察官約7万人を配備した。パリのデモはおおむね平穏だったが、リヨンやナントなど一部地域では警察と急進的な活動家が衝突し、催涙ガスが使用された。

今回の抗議は2027年5月に大統領選挙を控える中、政治情勢にも影響を及ぼしている。左派や環境政党の政治家もデモに参加し、政府への批判を強めた。景気低迷や財政赤字、公共サービスの縮小への懸念が広がる中、マクロン政権が労働者や学生の要求にどこまで応じるかが焦点となっている。

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