◎武装集団が銃を乱射し、警察官1人が負傷、パトカーが破損した。
コソボ、首都プリシュティナ、星条旗とコソボの国旗(Getty-Images)

コソボ当局は9日、セルビア系少数民族が大多数を占める北部地域で警察官が銃撃を受け負傷したと発表した。

現場は首都プリシュティナの北約50kmに位置する集落。警察によると、武装集団が銃を乱射し、警察官1人が負傷、パトカーが破損したという。

警察官は医療機関に搬送された。地元メディアは関係筋の話を引用し、「警察官の命に別状はない」と報じている。

警察はこの地域の首長が議会を解散したことを受け、取り締まりを強化した。選挙は今月18日に行われる予定だ。

地元メディアによると、自治体の投票センターも攻撃を受けたという。負傷者は確認されていない。

セルビア系住民は選挙に強く反対しており、さらなる反発が予想される。

コソボ政府は11月上旬、セルビアで発行された自動車のナンバープレートを段階的に禁じると発表。これを受け、北部地域のセルビア人議員、検察官、警察官などが職を辞した。

その後、コソボ・セルビア両政府はEUの仲介と米国の支援を受け、何とか歩み寄った。

EUはこの問題を解決しなければ取り返しのつかない事態に発展する可能性があると警告している。

コソボ紛争(1998~99年)の死者は1万3千人と推定されている。セルビア軍によるアルバニア系住民の弾圧は国際的な批判を引き起こし、NATOが紛争を終わらせるためにセルビアを空爆した。

コソボは2008年にセルビアからの独立を一方的に宣言した。西側諸国の大半は独立を承認したが、セルビアやその同盟国であるロシアと中国は認めていない。

NATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は8日の声明で、「コソボに展開する平和維持部隊(KFOR)は警戒を続けている」と述べた。

国連安保理は1999年の決議でコソボを国連の管理下に置くことと、NATO主導のKFOR設立を承認した。

コソボ紛争、アルバニア系住民(Getty Images)
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