◎イタリア本土より北アフリカに近いランペドゥーア島は、リビアに拠点を置く人身売買組織の標的になっている。
イタリア、シチリア島沖、亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

イタリア海軍は9日、ランペドゥーサ(Lampedusa)島の移民収容センターの定員が大きく超過したことを受け、シチリア島の別の施設に移送する手続きを開始したと発表した。

地元メディアは、「第一陣として移民600人が移送された」と報じている。

内務省の統計によると、今年の移民到着数は過去に類を見ない勢いで増加しているという。

2021年上半期の到着者数は約2万2700人、2020年は7500人だったのに対し、今年は3万人を超えた。

イタリア本土より北アフリカに近いランペドゥーア島は、リビアに拠点を置く人身売買組織の標的になっている。

欧州への亡命を求める人々はリピアの港から頼りないゴムボートに乗り、地中海を渡る。

イタリア海軍の報道官によると、ランペドゥーサ島から移送された600人はシチリア島の別の収容センターに移送され、そこからイタリア国内の他の施設に分散する予定。

ランペドゥーサ島の広報担当は混雑する移民収容センターの写真や動画をSNSなどに投稿している。

広報担当はフェイスブックに投稿した動画で、「このセンターには2100人が詰め込まれているが、ベッドは200人分しかない」と投稿し、懸念を表明した。「ここはイタリアです。リビアではありません...」

右派政党の議員はセンターの混雑状況を嘲笑し、「左派政府は移民に甘すぎると」と非難している。「彼らを追い払いなさい...」

極右政党「同盟(The League)」のある議員はツイッターに、「これがドラギ(Mario Draghi)首相の人道政策ですか?」と投稿した。「移民を拒否すればよいのです。彼らに税金を使わないでください...」

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