◎マッタレッラ大統領は先月、大統領選挙の準備に先立ち、「2期目は望んでいない」と述べていた。
2022年2月3日/イタリア、ローマの議会議事堂、宣誓を終えたセルジョ・マッタレッラ大統領(Getty Images/AFP通信)

2月3日、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領は議会で2期目のスタートを宣言し、与野党の議会議員から喝采を浴びた。

議会は新大統領の選出にひどく苦労し、過去数週間で10回以上投票を行ったものの、選出に必要な過半数を獲得できた候補はひとりもいなかった。

マッタレッラ大統領は先月、大統領選挙の準備に先立ち、「2期目は望んでいない」と述べていた。地元メディアによると、大統領はローマの見晴らしの良いアパートに引っ越す準備を進めていたという。

マッテオ・レンツ元首相は先月末、「チームを変更する必要はない」と述べ、マリオ・ドラギ首相とマッタレッラ大統領のタッグは金融市場に安心感を与えると強調した。

他の議員もマッタレッラ大統領に引っ越しを中断し「頑張ってほしい」と懇願した。

与野党から頑張ってほしいと言われたマッタレッラ大統領は、進行中のパンデミックと経済危機からイタリアを救うという使命感に駆られ、大統領職に留まることに同意した。

イタリアの大統領は主に「外交」を担当する。マッテレッラ大統領は2015年2月に就任した。

ドラギ首相は大統領の残留を歓迎したと伝えられている。ドラギ政権は来年任期満了を迎える予定。

マッタレッラ大統領は就任演説の中で、「議会と地域の代表が決断しました」と語った。「2期目は思いがけないものでしたが、国民の代表である議員の支持から逃れることはできず、逃れるつもりもありませんでした...」

マッタレッラ大統領はコロナの影響で多くの国民が苦境に立たされていると強調し、「政治空白が長引けば、イタリアの経済を危険にさらすことになっただろう」と述べた。

政治的行き詰まりを解消するために2期目を承認した大統領はマッタレッラ大統領が初めてではない。

2006年~2015年まで大統領を務めた前任のジョルジョ・ナポリターノ氏は90歳間近で退任した。

ナポリターノ前大統領は2期目をしぶしぶ受け入れ、就任演説で暴言を吐き話題になった。

宣誓式後、マッタレッラ大統領とドラギ首相はオープンカーで大統領官邸に向かった。地元メディアによると、イタリア空軍の曲芸飛行隊フレッチェ・トリコローリはアクロバット飛行を披露し、馬に乗った大統領警察隊が二人の到着を歓迎したという。

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