◎地中海では移民船の事故が多発している。
イタリア沖、アフリカの亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

イタリア沿岸警備隊は10日、南部の沖合で危険な状態にある移民船3隻を発見し、救助作業に当たっていると発表した。

当局によると、船には1300人以上の移民が乗っていたという。人々の国籍は明らかになっていない。

沿岸警備隊は南部の沿岸から約1100km離れた沖合で約500人を乗せた船を救助するために巡視船を派遣。さらに別の地点で難破していた2隻の移民約800人も救助中としている。

地中海では移民船の事故が多発している。

イタリア南部カラブリア州クロトーネで先月末に発生した移民船沈没事故では少なくとも73人死亡、数十人が行方不明のままである。

イタリア検察はこの事故について、沿岸警備隊が欧州国境沿岸警備機関(Frontex)の連絡に適切に対処しなかった可能性があるとして捜査している。

警察は人身売買に関与したとされる4人を逮捕し、捜査を進めている。

イタリア政府は国境警備を強化し、移民船を南部のシチリア島などに近づけなくしているという人権団体の告発を否定し、刑法改正で人身売買組織の取り締まりを強化する予定だ。

Frontexによると、1月と2月にアフリカ北部やトルコ西岸から地中海を横断し、イタリアやギリシャなどに入った移民は1万2000人を超え、昨年の倍以上に増加したという。

国際移住機関(IOM)は地中海中部の亡命ルートを「世界で最も危険なルート」と呼んでいる。今年このルートで死亡または行方不明になった移民は約300人と推定されている。

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