◎ローマの繁華街で無許可の行進を決行した暴徒たちは、労働組合事務所や医療機関などを襲撃した。
2021年10月9日/イタリア、首都ローマの繁華街で発生した暴動、警察を挑発する男(Mauro Scrobogna/LaPresse/AP通信)

10月10日、イタリアのリベラルな議員たちは首都ローマで繰り広げられた騒々しい暴動を厳しく非難し、暴動に関与したファシズム派グループを非合法化するよう政府に求めた。

警察当局は10日の声明で、9日の暴動に参加した極右フォルツァヌオーヴァ党の指導者ジュリアーノ・カステリーノ議員を含む12人が逮捕または拘束されたと明らかにした。

ローマのポポロ広場に集まった数千人の抗議者は、警察の許可を得たデモで政府のコロナ規則とグリーンパスポートシステムの強化に抗議したが、一部の暴徒は繁華街で無許可の行進を決行し、労働組合事務所や医療機関などを襲撃した。

国内で働くすべての労働者は、10月15日から職場でのグリーンパス提示を義務付けられる。規則に従わない者は雇用主から罰金を科され、公共部門で働く労働者はパスなしで5回出勤すると停職処分を受ける可能性がある。

<イタリアのグリーンパス取得条件>
・ワクチン接種を終えた人。
・過去6カ月以内に少なくとも1回ワクチンを接種した人。
・コロナウイルスから回復したことを証明できる人。
・過去48時間以内の検査で陰性を証明できる人。

繁華街の暴動に参加した者たちは「ジュリアーノ!」と連呼しながら警察に立ち向かい、放水砲を浴びた。地元メディアによると、カステリーノ議員を含むフォルツァヌオーヴァ党の議員たちはグリーンパスの導入に賛成したイタリア労働総同盟(GGIL)本部を襲撃するよう抗議者に促した可能性があるという。

GGIL本部に押し寄せた数百人の暴徒たちは窓を割り、家具をひっくり返し、事務所のパソコンを破壊した。その後、暴徒たちはマリオ・ドラギ首相のいるキージ宮殿近くまで侵攻し、警察の遊撃隊と衝突した。

一方、地元メディアによると、金属棒で武装した暴徒数十人がウンベルト1世総合病院を襲撃し、集中治療室を荒らしまわったという。ラツィオ州のニコラ・ジンガレッティ州知事は10日、「容疑者は反ワクチン団体だと思われる」と述べた。

地元のコリエーレ・デラ・セラ紙は、「総合病院の乱闘中に看護師がビンで頭を殴られ、警察官2人が打撲傷を負った」と報じた。

独裁者ベニート・ムッソリーニの思想を支持するファシズム派グループの非合法化を求めた議員の中には、前首相のジュゼッペ・コンテ議員も含まれていた。コンテ議員は声明で、「ファシズムの暴力を受け入れることはできない」と述べた。

イタリアの憲法は解体されたムッソリーニの国家ファシスト党の政治活動を禁じているが、他の右派政党と民間グループの活動は取り締まりの対象外である。

民主党のエマヌエーレ・フィアーノ議員はソーシャルメディアに、「ドラギ政権にフォルツァヌオーヴァ党とファシズムグループを非合法化する動議を提出する」と投稿した。

2021年10月9日/イタリア、首都ローマの繁華街で発生した暴動、放水車(Mauro Scrobogna/LaPresse/AP通信)
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