◎主要メディアは数時間前の速報で女性議員が33議席を獲得し、ヨーロッパで初めて女性が過半数を占める議会が誕生したと報じていた。
2021年9月25日/アイスランド、首都レイキャビクの投票所、カトリーン・ヤコブスドッティル首相(Getty Images/AFP通信)

アイスランドの国営メディアによると、9月25日に行われた議会選挙で女性議員が定数63のうち30議席(47.6%)を獲得したという。

しかし、主要メディアは数時間前の速報で女性議員が33議席を獲得し、ヨーロッパで初めて女性が過半数を占める議会が誕生したと報じていた。

女性議員が過半数を占める国は極めて少なく、ヨーロッパにはない。列国議会同盟のデータによると、ルワンダ、キューバ、ニカラグア、メキシコ、アラブ首長国連邦の5カ国だけが50%を超えているという。

<女性議員の割合ランキング 列国議会同盟 9月1日時点>
1位 ルワンダ 61.3%
2位 キューバ 53.4%
3位 ニカラグア 50.6%
4位 メキシコ 50.0%
4位 UAE 50.0%
7位 スウェーデン 47.0%(欧州最高)
31位 フランス 39.5%
39位 イタリア 35.7%
43位 イギリス 34.2%
54位 ドイツ 31.5%
60位 カナダ 29.6%
71位 アメリカ 27.6%
165位 日本 9.9%(G7最下位)

再集計が行われる数時間前、女性議員の過半数獲得は画期的な業績として歓迎された。グズニ・ヨハンネソン大統領は公共放送RUVのインタビューの中で、「ヨーロッパ初の歴史的な結果を歓迎します」と述べていた。「女性がアイスランドの議会で過半数を占めました。これは朗報です!」

アイスランドは世界で最も男女共同参画を推し進めてきた国であり、12年連続で世界経済フォーラムの男女共同参画ランキング1位を獲得している。

アイスランドは男女に同じ育児休暇を保証し、男女の同一賃金を規定した法律は1961年に施行された。世界で初めて女性大統領を選出したのもアイスランド(1980年)である。

アイスランドの投票は6つの地域に分けられており、集計に関する異議が唱えられた後、北西部地域で再集計が行われた。RUVによると、集計ミスの詳細はまだ報告されていないが、人為的ミスによるものと考えられているという。

カトリーン・ヤコブスドッティル首相率いる連立政権の3党は合計37議席を獲得し、政権を維持する可能性が高いと報じられている。

世論調査は与党3党は過半数を下回ると予想していたが、中道の進歩党が前回から5議席増やしたことで議席を押し上げた。中道右派の独立党は16議席を獲得。進歩党は13議席、ヤコブスドッティル首相のグリーンレフトは3議席減の8議席にとどまった。

与党3党は連立を維持するかどうかをまだ明らかにしていないが、有権者の支持を考えると体制を維持する可能性が高いと見込まれている。独立党、進歩党、グリーンレフトは選挙の前の会見で、過半数を維持できれば交渉に参加すると述べていた。

<2021年アイスランド議会選挙 定数63 開票率100%>
独立党 24.4%(16議席)
進歩党 17.3%(13議席)
グリーンレフト 12.6%(8議席)
社会民主同盟 9.9%(6議席)
国民党 8.8%(6議席)
海賊党 8.6%(6議席)
改革党 8.3%(5議席)
中央党 5.4%(3議席)
社会党 4.1%
自民党 0.4%
責任ある未来 0.1%
※拘束名簿式比例代表制

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