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ドイツ政府、減税含む改革パッケージを発表、低迷する国内経済の立て直し図る

連立政権を構成するキリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党(SPD)が合意した34項目の改革案には、所得税減税、年金制度改革、病気休暇制度の見直し、行政手続きの簡素化などが盛り込まれた。
2026年7月2日/ドイツ、首都ベルリン、メルツ首相(AP通信)

ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相は2日、停滞する国内経済の立て直しを目的とした大規模な改革パッケージを発表した。連立政権を構成するキリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党(SPD)が合意した34項目の改革案には、所得税減税、年金制度改革、病気休暇制度の見直し、行政手続きの簡素化などが盛り込まれた。政府は成長力の回復と企業競争力の強化を目指しており、メルツ氏は記者会見で、「ドイツを未来に向けて準備するための改革だ」と述べ、意義を強調した。

柱となる政策の一つが所得税減税である。低所得層から中間所得層を対象に段階的な減税を実施し、2028年までに一般的な家庭では年間約600ユーロの税負担軽減を見込む。年間の減税規模は約100億ユーロに達する見通しで、消費拡大を通じた景気回復を狙う。一方で、高額所得者に対する最高税率は45%から47%に引き上げ、財源を確保する方針だ。

年金制度については、高齢化の進展を踏まえ、平均寿命の延びに応じて実質的に受給開始年齢を引き上げる仕組みを導入する。また、将来的な財政負担を軽減するため、積立方式を取り入れた制度改革も検討される。政府は持続可能な社会保障制度への転換を急ぐ考えだ。

労働分野では、病気休暇制度も大きく見直される。従来より厳格な運用とし、病欠初日から医師の診断書提出を求めるほか、電話診療のみで取得できる病気休暇証明も廃止する。政府は病欠の増加が企業活動や生産性に悪影響を及ぼしていると説明し、不正利用の防止と労働参加率の向上を図る考えを示した。これに対し、労働組合や医療関係者からは労働者への負担増や医療機関の混雑を懸念する声も上がっている。

さらに、企業活動を阻害している行政手続きの簡素化にも着手する。報告義務の削減やデジタル化の推進、欧州連合(EU)の最低基準に合わせたデータ保護規制への見直しなどを進め、企業の投資環境改善を目指す。政府は住宅建設支援やインフラ整備の迅速化なども改革に盛り込み、経済全体の活性化を図る方針である。

ドイツ経済は高いエネルギー価格や投資の低迷、少子高齢化などを背景に低成長が続いており、2026年の経済成長率は0.5%程度にとどまるとの見通しが示されている。改革案については経済界から歓迎する声が上がる一方、野党や労働団体は効果や公平性に疑問を呈している。連立政権にとっては、改革を着実に実行し、国民生活や経済成長に具体的な成果を示せるかが今後の課題となる。

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