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フランス左派の「国債帳消し」案に批判殺到、2027大統領選の有力候補

メランション氏の主張が注目される背景には、2027年の大統領選をめぐる政治情勢もある。
フランスの左派メランション氏(ロイター通信)

フランスの左派政党「不屈のフランス(LFI)」のメランション(Jean-Luc Mélenchon)氏が、フランス銀行(中銀)が保有する国債の一部を事実上帳消しにする案を改めて打ち出し、国内で激しい論争を巻き起こしている。LFIを率いるメランション氏は、中銀が保有するフランス国債は政府債務の約18%に相当するとし、これを「消し去れば」政府債務残高を圧縮し、公共支出の余地を広げられると主張している。フランスの政府債務はGDP比で116%を超えており、財政赤字の抑制が重要課題となっている。

この構想自体は新しいものではない。新型コロナの感染拡大時にも、欧州中央銀行(ECB)が景気下支えのために購入した国債を帳消しにする案が一部の経済学者や政治家から提起された。しかし、中銀による政府への直接的な資金供給につながり、EU条約が禁じる政府債務の財政ファイナンスに抵触する可能性があるほか、金融市場の信認を損なうとの理由から実現しなかった。

今回の提案に対し、ルコルニュ(Sebastien Lecornu)首相は強く反発した。ルコルニュ氏は26日、この構想を「詐欺」と批判し、フランスが今年約3100億ユーロを調達する必要があることを踏まえれば、政府が債務返済への姿勢を疑われるだけで投資家の信頼が揺らぎ、国債の借り入れ金利が急上昇する恐れがあると警告した。

一方、すべての経済関係者が否定的なわけではない。左派系投資銀行は中銀が保有する国債を取り消しても経済・金融面で大きな影響は生じないとしてメランション氏を支持した。これに対し、国際通貨基金(IMF)元チーフエコノミストは、帳簿上の効果は限定的である一方、投資家の信頼を損なう可能性があると批判している。

メランション氏の主張が注目される背景には、2027年の大統領選をめぐる政治情勢もある。8月24日に公表された世論調査では、メランション氏が極右政党「国民連合(RN)」の指導者であるマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員と決選投票に進む可能性が示され、既成政党の候補を上回る勢いを見せている。財政再建と公共支出拡大をどう両立させるかは、今後のフランス大統領選を左右する主要争点となりそうだ。

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