◎事故は現地時間午前2時30分頃に発生。漁船には600~650人が乗っていたと推定されている。
2023年6月14日/ギリシャ、南部ペロポネソス半島沖で救助された移民ら(Getty Images/AFP通信)

ギリシャ南部ペロポネソス半島沖で14日、亡命希望者とみられる人々を乗せた漁船が転覆し、少なくとも78人が死亡、104人が救助された。沿岸警備隊が明らかにした。

当局によると、事故は現地時間午前2時30分頃に発生。漁船には600~650人が乗っていたと推定されている。

沿岸警備隊は声明で「救助した人は全員、ライフジャケットを着用していなかった」と述べている。

地元のテレビ局は沿岸警備隊の巡視艇6隻、海軍のフリゲート、軍用機、空軍のヘリ、民間船数隻、欧州国境沿岸警備機関(Frontex)のドローン1機が捜索活動に参加したと伝えている。

生存者は西部の都市カラマタの病院に搬送された。

一方、沿岸警備隊は14日午後に出した声明で、「この海域をパトロールしていた巡視艇が国際水域を航行するこの漁船と13日に接触していた」と明らかにした。

それによると、巡視艇は漁船の乗員が多いことを不審に思い、話を聞いたという。しかし、船長とみられる男はイタリアに向かうと述べ、巡視艇の申し出を拒否した。

Frontexは先月、地中海中部における今年1~4月の移民の密入国件数が4万2000件を超え、前年同期比の約4倍に増加したと発表。2009年に統計を取り始めて以来、最も多くなったという。

Frontexは先月の声明で、「人身売買組織は一部の出発国(リビアやチュニジアなど)の政治・情勢の不安定さを利用して、EU圏内を目指している」と指摘していた。

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