◎ギリシャの2020年の移民入国者数は2019年から約90%減少した。
2021年5月21日/ギリシャ、トルコとの国境に沿って設置された壁(Getty Images/AFP通信)

12月20日、ギリシャ政府はトルコとの国境に沿って建設された国境の壁を強化し、不法移民を監視するネットワークを拡充すると国民に約束した。

タキス・テオドリカコス市民防衛相は議会に対し、「EUと国境を接する一部の国は政治的圧力をかけるために移民を利用し続けるだろう」と述べた。

テオドリカコス市民防衛相はベラルーシの隣国に対する移民の送り込みを引用し、「この種の脅威はこれからも続く」と述べ、国境壁と監視ネットワークの強化は国民の命と生活を守ると強調した。

ギリシャ政府は不法移民の取り締まり強化を主要政策のひとつに掲げており、最近国境壁を26km延長した。

テオドリカコス市民防衛相は議会に、2022年のEU予算に国境を強化する項目が盛り込まれると信じていると語った。「ギリシャはEU加盟国を守るために欠かせない国境の強化が予算に盛り込まれると信じています...」

地元メディアによると、長距離カメラと複数のセンサーを備える新たな国境監視ネットワークを管理する中央制御室は2022年初頭に運用を開始する予定だという。

中央制御室のシステムを管理するAIは国境壁に沿って設置されたカメラとセンサーで不法移民を探知し、国境警備当局に出動を命じる。

テオドリカコス市民防衛相は国境管理システムを称賛した。「カメラとセンサーは国境壁周辺を徹底的に監視し、素晴らしい成果を上げています」

地元メディアなどによると、システムはこれまでに不法移民の入国を14万回以上阻止したという。

一部の人権団体は移民を拘束しトルコに強制送還するギリシャの政策を「非人道的」と呼び厳しく非難している。

当局のデータによると、ギリシャの昨年の移民入国者数は2019年から約90%減少したという。キリアコス・ミツタキス首相は10月、移民の密輸ネットワークを破壊したと記者団に語った。

トルコの海岸に近いサモス島やレスボス島を含むギリシャの島々は、2015年と2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつだった。危機の間、100万人以上がこのルートを利用してギリシャや他の欧州諸国に渡ったと推定されている。

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