◎収容定員600人の旧移民キャンプにはかつて約7,000人の移民希望者と難民が押し込まれ、劣悪な環境下での生活を余儀なくされていた。
2021年10月1日/ギリシャのサモス島、移民キャンプを視察するキリアコス・ミツォタキス首相(中央)(Thanassis Stavrakis/AP通信)

10月1日、ギリシャのキリアコス・ミツタキス首相がエーゲ海東部のサモス島に建設された新しい移民キャンプを視察した。

ミツタキス首相は一部の関係国から「恥ずべき」と批判されていた密で時代遅れな旧移民キャンプの廃止を歓迎し、新しい施設は移民希望者の生活を改善させるだろうと述べた。

収容定員600人の旧キャンプにはかつて約7,000人の移民希望者と難民が押し込まれ、劣悪な環境下での生活を余儀なくされていた。

旧キャンプで生活していた約300人は新キャンプへの移転を終えている。

当局のデータによると、ギリシャの昨年の移民入国者数は2019年から約90%減少したという。ミツタキス首相は移民の密輸ネットワークは破壊されたと記者団に語った。「ギリシャに移民を押し込もうとする違法業者は厳しい取り締まりと法の裁きに直面するでしょう」

EUの資金約5,000万ドル(約55億円)を投入して整備された新しい移民キャンプは今年9月にオープンした。収容定員は3,000人で、エアコン付きのコンテナ住宅、共同炊事場、バスケットコート、公園などが設置されている。

ミツタキス首相は、新キャンプは庇護申請を提出した移民希望者を数カ月間一時的に収容するためのものであり、長期間滞在する施設ではないと強調した。「その後、移民希望者はギリシャ本土に移動するか、国外に追放されます」

当局によると、新キャンプに収容された約300人の半分はアフガニスタン難民で、残りはシリアとアフリカの移民希望者だという。

一方、権利団体は遠隔地に建設された新キャンプの厳格なセキュリティに強い懸念を表明しており、一部の批評家は「刑務所にしか見えない」と述べた。

国境なき医師団は先月の声明で、「ギリシャの新しい移民キャンプはEUに保護を求める人々を非人間化し、疎外するでしょう」と述べた。「軍用レベルの有刺鉄線柵と高度な監視システムを備えたこの施設には数千万ドルが費やされました。この施設は安全と安定、そして平穏を求める移民希望者を拘束します」

ギリシャ政府はエーゲ海東部の4つの島に同様の移民キャンプを建設する予定である。

トルコの海岸に近いサモス島やレスボス島を含むギリシャの島々は、2015年と2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつだった。危機の間、100万人以上がこのルートを利用してギリシャや他のヨーロッパ諸国に渡ったと推定されている。

2019年に選出された保守的なミツタキス首相は不法移民を厳しく取り締まり、国境警備を強化した。権利団体は、ギリシャ当局は移民希望者に亡命申請の機会を与えず、人々を強制送還したと非難し、一部のEU諸国もギリシャ政府の対応を批判した。

高度な監視システムを有する新キャンプに満足したミツタキス首相は、「国境警備は政府の義務」と強調した。「違法業者は脆弱な人々をだまし、海や山を越えてギリシャに侵入を試みてきました。ギリシャ政府は国境と人命を守るために行動しなければなりません」

ギリシャ政府は8月、多くのアフガニスタン難民がヨーロッパに押し寄せてくると懸念を表明し、アフガニスタン難民の受け入れを許可しないと明らかにした。ただし、少人数のグループは入国を許可されており、10月1日時点で127人がアテネに到着したと伝えられている。当局は声明で、この127人は他の西側諸国への移転手続きが完了するまでギリシャにとどまると述べた。

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