フランス控訴裁、極右指導者ルペン氏の2027大統領選への出馬認める
ルペン氏は公金不正使用事件をめぐり有罪判決を受け、一時は公職禁止処分によって次期大統領選への出馬が困難とみられていた。
」のマリーヌ・ルペン議員(AP通信).jpg)
フランス・パリの控訴裁判所は7日、極右政党「国民連合(RN)」の事実上の指導者であるマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員が2027年の大統領選挙に立候補できる可能性を高める判断を示した。
ルペン氏は公金不正使用事件をめぐり有罪判決を受け、一時は公職禁止処分によって次期大統領選への出馬が困難とみられていた。しかし、控訴裁の判断により、この禁止措置が直ちに選挙資格を奪う形にはならず、ルペン氏は再び大統領候補として活動できる余地を得た。
控訴裁は今回、ルペン氏に対し、電子モニターの着用を義務付けた。
ルペン氏はフランス政界で長年影響力を持つ極右政治家であり、移民規制の強化、治安対策、フランス第一主義を掲げて支持を拡大してきた。2017年と2022年の大統領選では決選投票まで進出したが、いずれもマクロン(Emmanuel Macron)大統領に敗れている。しかし近年、既存政党への不満や生活費高騰への不安を背景にRNへの支持が拡大しており、2027大統領選では有力候補の一人とみられている。
今回の判断の背景には、ルペン氏をめぐる公金不正事件がある。ルペン氏とRNの関係者は、欧州議会議員時代に党関係者を議員補佐官として雇用した際、欧州連合(EU)の資金を不適切に使用したとして訴追された。裁判所は不正行為を認定し、ルペン氏に有罪判決を言い渡したが、政治活動を制限する措置については今後の司法手続きの対象となる。
ルペン氏側は、この処分は政治的な影響を与えるものであり、国民の選択肢を奪うものだと批判している。一方、検察は公職に就く人物には高い倫理基準が求められるとして、裁判所の判断を支持している。フランスでは司法による政治家への介入をめぐり、「法の支配」と「民主的選択権」のバランスが議論となっている。
2027大統領選ではマクロン氏が立候補できないため、次期政権をめぐる争いが本格化している。RNではルペン氏に加え、若手有力政治家であるRNのバルデラ(Jordan Bardella)党首の名前も候補として挙がっている。ルペン氏が出馬できる状況になれば、極右勢力がフランス政治の中心にさらに近づく可能性がある。
今回の控訴裁判断は単なる一政治家の立候補資格をめぐる問題にとどまらず、フランスにおける極右勢力の台頭、司法と政治の関係、そして欧州最大級の民主国家の将来像を左右する重要な出来事となっている。2027大統領選に向け、ルペン氏の動向とRNの戦略に注目が集まっている。
