◎マクロン氏は先月の欧州議会選で極右が大勝したことを受け、パリ五輪前に「結論を出す」として解散総選挙を決断。大きな賭けに出たが、厳しい現実に直面した。
2024年7月8日/フランス、パリの大統領府前、アタル首相(AP通信)

フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は8日、アタル(Gabriel Attal)首相の辞表を放り投げ、その地位にとどまり、選挙後の混乱を収めるよう懇願した。

7日の国民議会(下院、定数577)選を制した左派系4党から成る連合「新人民戦線(緑の党、社会党、共産党、不屈のフランス)」は大連立の可能性を模索しているようだ。

新人民戦線は180議席強を獲得。与党連合の160議席強を上回った。ルペン(Marine Le Pen)議員率いる極右「国民連合(RN)」は第3勢力に甘んじたが、それでも140議席を超え、22年議会選の89議席を大幅に上回った。

マクロン氏は先月の欧州議会選でRNが大勝したことを受け、パリ五輪前に「結論を出す」として解散総選挙を決断。大きな賭けに出たが、厳しい現実に直面した。

五輪開幕まで3週間を切る中、議会は宙ぶらりん状態となっている。

フランス株式市場は軒並み下落したが、その後持ち直した。多くの投資家が極左の勝利に驚いたようだ。

アタル氏は7日、必要であればその地位にとどまる用意があると述べていたが、8日朝に辞表を提出した。

しかし、マクロン氏はそれを拒否し、国の安定を確保するまでその地位にとどまるよう要請した。

地元メディアによると、両氏はパリの大統領府で会談。他の政府高官も出席したという。

マクロン大統領の任期は2027年まで。

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