◎イギリスへの亡命を目指すアフリカ・中東・アジアの移民の多くが頼りないゴムボートやボロボロの船でドーバー海峡横断に挑戦する。
ドーバー海峡、イギリスへ向かう移民船(Getty Images)

フランス北部パ・ド・カレー県からドーバー海峡を渡ろうとして移民船が転覆し、8人が死亡、45人が救助された。仏海事当局が15日、明らかにした。

それによると、事故はカレーの海岸近くで14日深夜に発生。イギリスに向かおうとしていたボートがひっくり返り、53人が海に投げ出された。

海岸で助けを求める移民を見つけた地元住民が警察に通報。沿岸警備隊が周辺を捜索した結果、浜辺にいた53人を発見した。

そのうち8人が意識不明の状態で、まもなく死亡が確認された。

沿岸警備隊によると、海上での捜査で人は発見されなかったという。

パ・ド・カレー県知事はフランスメディアの取材に対し、「低体温症の生後10ヶ月の赤ちゃんを含む6人が市内の病院に搬送され、手当てを受けている」と語った。

それによると、生還した45人はエリトリア、スーダン、シリア、アフガニスタン、エジプト、イランの出身だという。

ドーバー海峡では2週間前にも移民船が転覆し、12人が死亡している。

イギリスへの亡命を目指すアフリカ・中東・アジアの移民の多くが頼りないゴムボートやボロボロの船でドーバー海峡横断に挑戦する。

ドーバー海峡は世界で最も混雑する水路のひとつであり、毎日600隻以上の商船が航行している。

イギリス内務省の統計によると、2018年以降、フランスから海峡を渡ってイギリスにたどり着いた人は13万7563人。14日だけでも、801人の移民を乗せた14隻のボートが到着した。

昨年海峡を横断した移民は約3万人。22年の4万5000人超から大幅減となった。21年は約2万8000人、20年は約8500人。

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