◎欧州では近年、記録的な量のコカインが押収され、2021年にはEU加盟国だけで303トンに上った。
2023年8月10日/オランダ、ロッテルダムの税関当局が公表した写真、押収されたコカイン(Openbaar Ministerie/Netherlands Public Prosecution Service/AP通信)

オランダの税関当局がコカイン約8000kgを押収した。末端価格は600億ユーロ(約960億円)と推定されている。ロッテルダムの税関当局が10日、明らかにした。

それによると、当局は7月13日、ロッテルダムの港でコカインを発見、押収したという。

このコカインはエクアドル産バナナの容器に隠されていた。

ロッテルダム検察によると、この推定取引価格は600億ユーロ。これ以上の情報は捜査中として明らかにしておらず、逮捕者も出ていないようだ。

一部の地元メディアは専門家の話しとして、「エクアドルもしくはメキシコの麻薬カルテルが密輸に関与している可能性が高い」と伝えている。

エクアドルでは10日、麻薬密売と汚職に強く反対してきた大統領候補が政治集会で射殺され、世界に衝撃を与えた。

EUの薬物監視機関「欧州薬物・薬物依存監視センター(EMCDDA)」は6月に公表したレポートの中で、「欧州諸国の麻薬取引がカルテルの勢力拡大に寄与し、ヨーロッパ大陸の暴力と腐敗に拍車をかけている」と指摘している。

それによると、欧州では近年、記録的な量のコカインが押収され、2021年にはEU加盟国だけで303トンに上ったという。

ロッテルダムとベルギーのアントワープ港は中南米産コカインの主要な受け入れ口になっているようだ。

EU圏内の暴力と汚職の増加がコカイン市場の拡大を後押しし、密売組織同士の熾烈な競争が殺人や脅迫の増加につながっている。

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