◎デモ隊は23日午後、ダブリン市内で幼児3人が移民とみられる男に襲われた事件に抗議した。
2023年11月23日/アイルランド、首都ダブリンの通り、反移民派の攻撃を受け炎上する車とバス(ロイター通信)

アイルランドの首都ダブリンで反移民派が暴動を起こし、少なくとも2人が重体、34人が逮捕された。警察当局が24日、明らかにした。

デモ隊は23日午後、ダブリン市内で幼児3人が移民とみられる男に襲われた事件に抗議した。

地元テレビ局の取材に応じたデモ参加者は、「政府は移民の侵入を阻止しなければならない」と語った。「特にひげ面の中東系移民は危ないので、今すぐひとり残らず強制送還すべきです...」

報道によると、抗議デモは開始後まもなく暴動に発展。最大500人が商店を略奪し、車両に火を放ち、機動隊に石や火炎瓶を投げつけたという。

警察は暴動に関与した34人を現行犯逮捕。この騒動について、「市内の学校の外で中東系の男がテロを起こしたという噂が拡散した後に始まった」と述べた。

首相府の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ダブリンの市民は罪のない子供への攻撃と、法の支配に対する2つの攻撃に耐えている」と書き込んだ。

バラッカー(Leo Varadkar)首相は24日朝、記者団に対し、「暴徒たちはアイルランドを愛しておらず、守りたいとも思っておらず、愛国心のかけらもなく、憎しみに満ち、暴力と混乱が大好きで、他人に苦痛を与えることを楽しんでいる」と糾弾した。

報道によると、暴動に巻き込まれた5歳の女児と成人男性が重体となっている。この男性は何者かに背後から体当たりされ頭を強打した。

中央政府の統計によると、アイルランドは今年4月までの12ヵ月間に移民14万1000人以上を受け入れ、2007年以降で最も多くなった。

アイルランドの人口は移民の流入により、この11年間で11.7%増加。住宅不足に拍車をかける事態となっている。

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