◎新連立政権の議席は89。過半数に1議席足りない(定数179)ものの、無所属4人の支持を得た。
2022年12月14日/デンマーク、首都コペンハーゲン、演説するフレデリクセン首相(Mads Claus Rasmussen/Ritzau Scanpix)

デンマークのフレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は15日、3党連立政権を発足させると発表した。

中道左派の与党・社会民主党は先月1日の議会選以降、中道右派の自由党および穏健党との連立交渉を続けてきた。

デンマークで中道政権が成立するのは44年ぶり。右派と左派は数十年に渡る対立に終止符を打ち、協力してインフレやロシアのウクライナ侵攻がもたらした混乱に対処すると誓った。

国防相は自由党のイェンセン(Jakob Ellemann-Jensen)党首。かつて自由党を率いたラスムセン(Lars Løkke Rasmussen)元首相が外相を務めることになった。

23ある省庁のうち、社会民主党が11、自由党が7、穏健党が5の長官を務める。女性8人、男性15人で構成される予定。

新連立政権の議席は89。過半数に1議席足りない(定数179)ものの、無所属4人の支持を得た。

1978年に誕生した社会民主党・自由党政権は8カ月しかもたなかった。

フレデリクセン氏はコロナウイルス対策でミンク数百万匹を殺処分し批判に直面。早期選挙を決断した。

この殺処分と集団埋葬の様子を記録した映像はフレデリクセン氏を悩ませ、最終的には中道左派政権の分裂に発展した。

フレデリクセン氏は選挙期間中、中道政権の樹立を目指したいと発言していた。

デンマーク、殺処分を待つミンク(Getty Images)
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