◎地中海に面するキプロスやギリシャの島々は2015年~2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつになった。
2022年2月9日/キプロス、首都ニコシアの郊外にある移民受付センター(Petros Karadjias/AP通信)

2月9日、キプロスの内相は国の移民収容キャンプの過密状態に懸念を表明し、亡命申請を却下された移民希望者を速やかに送還すべきと述べた。

地中海に面するキプロスやギリシャの島々は2015年~2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつになり、危機の間、100万人以上が複数のルートを使ってEUに渡ったと推定されている。

ノウリス内相はキプロス放送協会のインタビューの中で、「首都ニコシアの郊外にある移民収容キャンプで未成年の移民グループによる乱闘騒ぎが発生し、少なくとも35人が負傷した」と明らかにした。

キプロス放送協会によると、キャンプに収容されていたナイジェリア人とコンゴ人の若者グループは施設内のバスケットボールコートで対立し、喧嘩が始まったという。

キャンプの担当者は喧嘩の仲裁に失敗し、機動隊に応援を要請したと伝えられている。

ノウリス内相は「取るに足らない理由で機動隊が動員される事態になった」と述べた。

キプロス放送協会によると、この乱闘騒ぎの前夜にも暴力事件が発生し、あるグループの若者が警察官をナイフで脅したという。

キプロス政府は亡命や不法入国の増加に悩まされており、昨年受け付けた亡命申請13,235件の大半を却下している。

申請ではじかれた人々は主に郊外の収容センターに収容され、母国もしくは別の国に移動する手続きを行う。昨年到着した希望者の約85%は国際的に認められていない北キプロス・トルコ共和国から国境を越え、亡命を求めた。

キプロス政府は不法入国を試みる移民希望者が急増していることを受け、EUに亡命申請の処理を停止するよう求めている。

ノウリス内相はインタビューの中で、「EU当局はキプロスに押し寄せる移民を食い止める必要があることに同意している」と述べた。

AFP通信によると、EUを統括する欧州委員会のマルガリティス・シナス副委員長を含むEUの高官は今後数週間のうちにキプロスを訪問し、国境付近と移民収容センターの現状を視察する予定だという。

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