◎容疑者はシリア人移民21人と共に地中海を進み、沿岸警備隊に拘束された。
2021年11月9日/キプロス、首都ニコシア郊外、移民収容施設(Petros Karadjias/AP通信)

キプロスの裁判所は25日、シリア人移民21人の密入国に関与したとされるシリア人の男を6日間勾留するよう命じた。

検察によると、容疑者は21人と共に地中海を進み、沿岸警備隊に拘束されたという。

警備隊に保護された21人は首都ニコシアの郊外にある移民収容施設に移された。地元メディアによると、21人の内訳は男性13人、女性2人、2歳~10歳の児童6人。

キプロス政府は昨年末、同国の移民送還数および亡命希望者数が人口100万人あたりに換算するとEU加盟国の中で最も多くなったと発表した。

政府の統計によると、亡命希望者の約95%が北キプロスから侵入した移民だという。両国の境界約180kmは国連が定める緩衝地帯となっている。

キプロスは1974年のキプロス紛争で分裂。それ以来、キプロスとトルコはその地位をめぐって対立している。

北キプロスはトルコ軍の支援を受けて1983年に独立を宣言したが、国際社会はこれを認めていない。

キプロスのノウリス(Nicos Nouris)内相は今週アテネで開かれた会議で、「EUの執行機関である欧州委員会は第三国を目指す移民をチェックし、人身売買業者を罰する必要がある」と指摘した。

キプロスの亡命申請却下数はEU加盟国の中でもっと多い。公式統計によると、先月は約1200人を送還し、前年同月の約5倍に達したという。昨年は約7600人を送還した。

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