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キプロス、2028年3月までに欧州へのLNG供給開始目指す

クロノス開発を担うフランスのトタルエナジーズとイタリアのエニは先月、開発計画を進める最終決定を下した。
キプロスの海岸(Getty Images)

地中海の島国キプロス政府は先週、同国南岸沖の海底ガス田「クロノス」で生産する天然ガスについて、早ければ2028年3月にも欧州市場への供給を開始できるとの見通しを示した。ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化を受け、エネルギー供給源の多角化を進める欧州にとって、東地中海が新たな供給地域となる可能性がある。

クロノス開発を担うフランスのトタルエナジーズとイタリアのエニは先月、開発計画を進める最終決定を下した。計画ではクロノスから100キロほど離れたエジプトのゾール・ガス田周辺の既存設備までパイプラインを建設する。工事は2026年後半に始まり、完成まで最大18カ月を要する見通しだ。ガスはエジプト北部ダミエッタにある設備へ送られ、液化天然ガス(LNG)として船舶で欧州へ輸出する。

クロノスの埋蔵量は3兆立方フィート超と推定される。全量を欧州向けとする契約だが、その約5分の1はエジプト国内のエネルギー需要に充てられる可能性がある。キプロス政府は同ガス田から得られる収入よりも、同国が初めて天然ガス生産国となり、輸出を開始することの戦略的意義を重視している。

キプロス沖ではクロノス以外にも複数のガス田開発が進む。米石油大手エクソンモービルとカタールエナジーが開発する「グラウコス」と「ペガサス」では2033年までの生産開始が見込まれる。推定埋蔵量56億立方フィートの「アフロディーテ」では米シェブロン主導の企業連合が2027年夏に最終的な開発判断を下す予定だ。

キプロス産ガスの欧州供給は規模こそ限定的だが、ロシア産ガスへの依存低減を進めるEUにとって供給網の分散につながる。東地中海の資源開発はエネルギー安全保障だけでなく、キプロスを欧州のエネルギー網に組み込む地政学的な動きとしても重要性を増している。

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