◎ベラルーシは2021年の刑法改正で民間の法律事務所を禁じ、それ以来、国内で活動する弁護人はすべて、法務省の監督下に置かれている。
ベラルーシ、首都ミンスク、反政権派のマリア・コレスニコワ氏(Ramil Nasibulin/AP通信)

ベラルーシ人権団体「ビアスナ人権センター」は12日、政治犯の弁護を担当した弁護士少なくとも12人が治安当局に逮捕されたと発表した。

それによると、治安当局は先月末、人権派弁護士12人の自宅を家宅捜索し、パソコンなどを押収。12人を逮捕したという。

当局はこの逮捕劇に関する声明を出していない。

ビアスナによると、治安当局は首都ミンスクを含む複数の都市で家宅捜索を実施したという。

それ以上の詳細は明らかになっておらず、12人の安否も不明だ。

ビアスナは声明で、「今回の恣意的な大量逮捕は独裁政権に反対する民主的な弁護士を対象にしたものであり、基本的人権を踏みにじる蛮行である」と断じた。

ベラルーシは2021年の刑法改正で民間の法律事務所を禁じ、それ以来、国内で活動する弁護人はすべて、法務省の監督下に置かれている。

ビアスナによると、2020年以降、政治的な理由で逮捕されたとみられる弁護士は少なくとも23人にのぼる。

刑法改正で500人以上の弁護士が資格を失い、廃業を余儀なくされた。その一部は国外に移住し、弁護士として活動している。

ロシアによるウクライナ侵攻を支援するルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年の大統領選で再選を主張。反対派で鉄拳でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打した。

ウクライナ侵攻に反対する市民少なくとも1671人が逮捕され、その大半が裁判を受けられずにいる。

ビアスナによると、恣意的に逮捕された政治犯は1500人近くにのぼる。その中にはビアスナの創設者であり、2022年にノーベル平和賞を受賞したビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏も含まれている。

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