◎ベラルーシ国家保安委員会(KGB)は国内で活動する独立系メディアとNGOに対する徹底的な取り締まりを継続している。
2021年7月13日/ロシア、サンクトペテルブルクの政府施設、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

7月16日、ベラルーシ国家保安委員会(KGB)は独立系メディアおよび反体制派ジャーナリストの自宅や事務所を襲撃し、少なくとも31人を逮捕したと発表した。

ベラルーシジャーナリスト協会およびビアスナ人権センターによると、KGBは首都ミンスクと他の7つの都市で取り締まりを決行し、施設を強制捜査したうえで31人を逮捕したという。

同ジャーナリスト協会の責任者、アンドレイ・バスチューンズ氏は16日、「当局はジャーナリストを弾圧し、脅迫し、殴打し、蹴り、逮捕しました」と述べた。

一方、KGBは16日の声明で、「逮捕した者たちはテロ活動に関与した疑いがある」と主張した。

独立系ジャーナリストとして働いている夫を逮捕された妻はAP通信の取材に対し、「当局者は室内を荒らしまわり、パソコンを含む機器を全て押収し、夫に手錠をかけました」と述べた。

ビアスナ人権センターによると、KGBはジャーナリスト連合の責任者の自宅と、著名な非政府組織の活動家にも襲い掛かったという。

同国の最高調査機関にあたるベラルーシ捜査委員会は一連の襲撃について、「メディアとNGOによる組織的な脱税および金融規則違反を調査するために実施した」と述べた。

KGBは国内で活動する独立系メディアとNGOに対する徹底的な取り締まりを継続している。

KGBの当局者は今週初め、ビアスナ人権センターの事務所と、首都ミンスクおよび他の都市の人権団体事務所を襲撃し、ジャーナリストや職員を拘束した。

権威主義者のルカシェンコ大統領は昨年8月の大統領選挙後に発生した全国規模の抗議デモを厳しく取り締まり、35,000人以上を逮捕した。選挙後、主要な野党指導者は投獄されるか亡命を余儀なくされている。

隣国リトアニアに亡命した野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は16日、「政府はベラルーシの真実を語ろうとする全てのメディアを破壊しようとしている」とツイートした。

またこの日、大学生11人と教師が昨年秋に行われた抗議集会の開催に協力した罪で実刑判決を言い渡された。現地メディアによると、大学生11人はそれぞれ禁固2年、教師は禁固2年6カ月を宣告されたという。

ベラルーシ駐米大使のジュリー・フィッシャー氏はこの判決を厳しく非難した。また、ここ数日の厳しい取り締まりについては、「たわ言を毎日放送している臆病な国営メディアは、真実を語るジャーナリストの足元にも及ばない」と嘲笑した。

EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は15日遅くに発表した声明の中で、一連の取り締まりを非難した。「ルカシェンコは全ての反体制派を沈黙させ、全ての市民を抑圧するという究極の目標を達成するために弾圧を強化しています」

「深刻な人権侵害には深刻な代償が伴います。EUはベラルーシに対する新しい制裁を科す準備を進めています...」

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