◎労組は前回の交渉が不調に終わった11月末にストを決行した。
線路を補修する鉄道職員(Getty Images)

オーストリアの鉄道労働組合は13日、国営オーストリア連邦鉄道などと協議を重ね、合意に達したと発表した。

国鉄とその関係会社の従業員約5万人を代表する労組VIDAは声明で、「交渉結果に満足している」と述べた。

地元メディアによると、労組は大幅な賃上げを勝ち取ったという。

労組は前回の交渉が不調に終わった11月末にストを決行。国内の主要鉄道が止まった結果、オーストリア人だけでなく近隣諸国の市民も大きな影響を受けた。

オーストリアは中欧と西欧の鉄道網を結ぶ中継地点になっている。

オーストリア放送会社(ORF)によると、今回の合意により、従業員の月給は12月1日付けで最低210ユーロ(約3万円)引き上げられ、その後、2024年2月までにさらに270ユーロ(約3万9000円)引き上げられる予定だという。

労組は全職員の月給を400ユーロ(約5万8000円)引き上げるよう要求していた。

ORFによると、この賃上げが実現すれば、全従業員の給与の平均は8%ほど増えることになるという。低賃金の職員だけで見ると11~12%の引き上げとなる。

オーストリアの消費者物価指数(CPI)も他の欧州諸国と同じく、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で急騰している。11月のCPIは前年同月比で10.6%増、10月は11%だった。

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