アルメニア議会選挙、ロシア問題が焦点、与党は西側との連携模索
今回の選挙は単なる政権選択にとどまらず、ロシアとの伝統的な同盟関係を維持するのか、それとも欧州連合(EU)や米国との関係を深めるのかという国家の進路を左右する重要な政治決戦として注目を集めている。
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アルメニアで7日、議会選挙(一院制、定数101)が行われた。今回の選挙は単なる政権選択にとどまらず、ロシアとの伝統的な同盟関係を維持するのか、それとも欧州連合(EU)や米国との関係を深めるのかという国家の進路を左右する重要な政治決戦として注目を集めている。
与党・市民契約党を率いるパシニャン(Nikol Pashinyan)首相は2018年の民主化運動「ビロード革命」以降、欧米との関係強化を進めてきた。特に2023年にアゼルバイジャンが係争地ナゴルノ・カラバフを制圧した際、長年の同盟国であるロシアが十分な支援を行わなかったことを受け、アルメニア国内ではロシア不信が強まった。政府はその後、ロシア主導の軍事同盟である集団安全保障条約機構(CSTO)への参加を事実上停止し、EUや米国との連携拡大を模索している。
これに対しロシアは、アルメニアの西側接近を強く警戒している。選挙期間中にはアルメニア産ブランデーや農産品に対する輸入制限が導入され、EU側はこれを政治的圧力の一環と批判した。またロシア政府はアルメニアがEU加盟を目指せば経済的損失を被る可能性があると警告し、一部では「ウクライナのような事態になりかねない」との発言も出た。こうした動きは有権者の投票行動に影響を与える狙いがあるとの見方が広がっている。
親ロシア派の最大連合「強いアルメニア」は、ロシア系実業家のカラペティアン(Samvel Karapetyan)が率いており、モスクワとの関係修復を訴えている。同氏は選挙期間中に政権転覆を扇動した疑いで自宅軟禁下に置かれたが、支持者らは政治的弾圧だと反発している。一方、与党側は野党勢力がロシアの影響力拡大を後押ししていると批判し、選挙戦は激しい対立の様相を呈した。
今回の選挙では17政党と2つの政治連合が候補を擁立した。投票の争点は外交路線だけではなく、アゼルバイジャンとの和平交渉や隣国トルコとの国交正常化問題も含まれる。パシニャン政権は地域の安定化を通じた経済発展を目指しているが、反対派は領土や安全保障上の譲歩につながるとして警戒感を示している。
地元メディアによると、開票率20%時点で与党が大幅にリードしている。結果次第では、アルメニアが西側との連携をさらに強める可能性がある一方、ロシアとの関係悪化が新たな緊張を生む恐れもある。旧ソ連圏における地政学的な綱引きの最前線として、今回の選挙の行方に国際社会の関心が集まっている。

