◎アルメニアは20年以上前にICCへの加盟手続きを開始していたが、2004年に憲法裁判所がローマ規程は当時の同国憲法と矛盾するとの判決を下し、手続きを一時中断していた。
2022年9月13日/アルメニア、首都エレバンの議会、パシニャン首相(Tigran Mehrabyan/PAN/AP通信)

旧ソ連構成国アルメニアの大統領が14日、国際刑事裁判所(ICC)への加盟を承認した。

議会は先週、ローマ規程を批准し、ICCへの加盟を決めた。

これにより、同国はICCから逮捕状が出ているロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が領内に足を踏み入れた場合、逮捕する義務を負う。

ロシアは先月、アルメニア議会の決定を「非友好的な措置」と非難し、駐ロシア・アルメニア大使を召喚した。

アルメニア政府関係者は「この動きとロシアは何の関係もなく、係争地ナゴルノカラバフにおけるアゼルバイジャンの侵略行為に端を発している」と主張している。

議会は賛成60ー反対22でICC加盟を承認した。

アルメニアは20年以上前にICCへの加盟手続きを開始していたが、2004年に憲法裁判所がローマ規程は当時の同国憲法と矛盾するとの判決を下し、手続きを一時中断していた。

その後、憲法は2度改正されている。今年3月、憲法裁判所は「ローマ規程の義務は現行憲法に沿ったものである」との判決を下した。

パシニャン(Nikol Pashinyan)首相の報道官によると、アゼルがアルメニアの領土を併合するという疑惑が浮上したため、政府はICC加盟手続きの再開を決めたという。

アゼル軍は先月、ナゴルノカラバフを実効支配するアルメニア人分離主義勢力を撃退し、領土を奪還した。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

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