◎野党はこの2週間、首都エレバンで毎日反政府集会を開催している。
2022年5月2日/アルメニア、首都エレバンの議会、パシニャン首相(Hayk Baghdasaryan/Photolure/ロイター通信)

アルメニア警察は2日、首都エレバンでニコル・パシニャン首相の退陣を求めたデモ隊を取り締まり、180人を拘束したと明らかにした。

パシニャン首相は先月、ナゴルノ・カラバフをめぐる問題でアゼルバイジャンとの和平協定締結が必要と議会で演説した。

反対派はこの演説に憤慨し、パシニャン首相の退陣とナゴルノ・カラバフの領土をアゼルバイジャンから取り戻す協議を進めるべきと主張した。

ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

2020年に発生したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したとされる。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意し、アゼルバイジャンはその領土の大半を取り戻した。

パシニャン首相は完全な和平を確立したいと考えているが、野党はこれに強く反発し、政府を転覆させると示唆している。

ただし、野党もアゼルバイジャン軍に勝てるとは思っておらず、交渉でナゴルノ・カラバフの権利を取り戻したいと考えている。

野党はこの2週間、エレバンで毎日反政府集会を開催している。

一部のデモ隊はエレバンの中心部に野営し、パシニャン首相が辞任するまで抗議し続けると誓っている。

ロシアのインタファクス通信によると、エレバンの広場に集まったデモ隊は1日、ゴミ箱やベンチでバリケードを作り、市内の大通りにつながる幹線道路を占領したという。

デモを率いる野党のサガテヤン議員は、「ニコル(パシニャン首相)なきアルメニア!」と唱え、支持者にデモを加速させるよう呼びかけた。

デモ隊は2日の午後までに幹線道路を開放したと伝えられている。

2日の取り締まりの詳細は明らかにされていないが、地元メディアによると、取材にあたっていたジャーナリストも乱闘に巻き込まれたという。

エレバン警察の広報担当者は、「警察はデモ隊に不法占拠をやめるよう繰り返し促したが、彼らは要求を無視した」と説明している。

2021年11月26日/ロシア、ソチの政府庁舎、左からプーチン大統領、アルメニアのパシニャン首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領(Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)
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