◎火災は19日未明に発生。ストーブにガソリンを入れ、爆発した。
2023年1月19日/アルメニア、東部のアゼルバイジャン国境近く、全焼した軍事基地の兵舎(Getty Images)

アルメニア国防省は19日、東部のアゼルバイジャン国境近くにある軍事基地で火災が発生し、兵士15人が死亡、7人が重軽傷を負ったと発表した。

現場はアゼルバイジャンと国境を接する東部ゲガルクニク(Gegharkunik)の集落内にある基地。

国防省によると、火災は19日未明に発生。ストーブにガソリンを入れ、爆発したという。

負傷した兵士7人のうち3人が重体と伝えられている。

国防省の報道官は声明で、「火災の原因は兵士が安全規則を無視してストーブにガソリンを入れたためだ」と怒りを表明した。

報道官によると、部隊の指揮官を含む将校10人が解任されたという。

パシニャン(Nikol Pashinyan)首相は東部地域の責任者を解任した。

ガソリンは揮発性が高く、ストーブのタンクに入れ使用すると内圧が上昇し、溢れ出たガソリンにストーブの火が引火して大きく燃え上がる。

アルメニアとアゼルバイジャンは係争地ナゴルノカラバフをめぐって対立している。

ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

2020年に発生した紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。

両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。

昨年9月にも戦闘が再燃し、双方の兵士155人が死亡している。

2020年9月27日/ナゴルノカラバフ、アルメニア軍の兵士(Getty Images/AFP通信)
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