◎与党・社会党は現在、リチウム採掘や水素関連事業をめぐり、不正に関与した可能性があるとして捜査対象になっている。
2023年11月7日/ポルトガル、首都リスボン、辞意を表明するコスタ首相(AP通信)

ポルトガルのコスタ(António Costa、62歳)首相は7日、捜査当局が与党・社会党の不正疑惑を捜査していることを受け、辞意を表明した。

社会党は現在、リチウム採掘や水素関連事業をめぐり、不正に関与した可能性があるとして捜査対象になっている。

2015年から社会党の党首を務めるコスタ氏は不正疑惑を否定したうえで、「このような事態に陥った責任は党首にあり...私はレベロデソウザ(Marcelo Rebelo de Sousa)大統領に辞表を提出した」と明らかにした。

辞意表明の数時間前、当局は捜査の一環として、いくつかの公共施設を家宅捜査した。

地元メディアによると、検察当局は不正に関与した社会党の関係者がコスタ氏の名前を使ったり、コスタ氏本人が不正に関与した可能性もあるとみて捜査している。

コスタ政権の閣僚少なくとも2人が不正に関与したとみられる。

レベロデソウザ氏は7日、コスタ氏の辞表を受理した。

レベロデソウザ氏は議会を解散するものとみられる。

地元メディアによると、議会は今月末に来年度予算案を採決する予定だった。

レベロデソウザ氏は声明の中で、「8日に議会の各党代表と会談し、9日に国民に向けて演説する」と明らかにした。

一方、コスタ氏は涙を浮かべながら家族への感謝を述べた。

「私は司法制度を全面的に信頼しています。私が言いたいことは、いかなる不法行為も非難されるべきであり、私の良心に重くのしかかるものはないということです。私はいかなる不正にも関与していません。法の上に立つ者はいないのです...」

またコスタ氏は「首相職の威厳が今回の疑惑で傷つけられることは決してない」と強調。次期総裁選に立候補しない考えを示した。

検察当局は7日、一連の不正疑惑を巡り、5人を拘束。その中にはコスタ氏の首席補佐官であるエスカリア(Vítor Escária)氏が含まれていた。

ガランバ(João Galamba)インフラ担当相と環境庁(APA)のラカスタ(Nuno Lacasta)長官も不正に関与したとして、裁判所に出頭する見通しだ。

当局によると、容疑者らはコスタ氏の名前と権限を利用して不正を働いていたという。最高裁判所はコスタ氏本人がこれらの不正に関与した可能性もあるとして、調査するとしている。

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