北アイルランドで反移民デモ激化、刺傷事件に反発、スーダン国籍の男逮捕
事件は8日夜、ベルファスト北部の住宅街で発生した。
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北アイルランドの首都ベルファストで発生した刺傷事件を受け、反移民を訴える抗議デモが各地に広がり、一部が暴徒化する事態となった。警察は移民コミュニティへの攻撃や放火が相次いだとして警戒を強めており、地域社会の分断が深刻化している。
事件は8日夜、ベルファスト北部の住宅街で発生した。警察によると、40代の男性が路上で刃物による襲撃を受け、顔や目、背中などに重傷を負った。現場からは包丁が押収され、30歳のスーダン出身の男が殺人未遂や脅迫、公共の場での刃物所持などの容疑で逮捕された。捜査当局は動機を調べているが、現時点ではテロ攻撃の証拠は確認されていないとしている。
事件の様子を撮影した動画がSNS上で拡散すると、移民政策への不満を抱く人々の間で抗議活動を呼び掛ける投稿が広がった。ベルファスト市内では9日、数百人規模のデモが行われ、一部の参加者が車両やごみ箱に放火したほか、道路封鎖や警察車両への攻撃も発生した。ベルファスト東部ではバスが炎上し、複数の住宅や商店が被害を受けた。警察は追加部隊を投入して対応に当たっている。
今回の事件が大きな反響を呼んだ背景には、イギリスで続く移民問題を巡る政治的対立がある。容疑者が難民申請を経てイギリスで滞在資格を取得していたことが明らかになると、一部政治家や反移民団体が政府与党の移民政策を厳しく批判した。一方で政府や警察は、捜査結果が出る前に移民全体を批判するべきではないとして冷静な対応を呼び掛けている。
スターマー(Keir Starmer)首相は事件を「ぞっとするような暴力行為」と糾弾し、被害者への支援を表明するとともに、暴力的な抗議活動を批判した。北アイルランドの主要政党も共同声明を発表し、「我が国にこのような残虐行為の居場所はない」として事件を非難するとともに、法の支配を尊重するよう市民に求めた。
一方、ベルファストのスーダン人やその他移民コミュニティでは不安が広がっている。抗議活動の激化を懸念して複数の商店が営業を控え、宗教施設の一部は集会を中止した。住民からは「自分たちが標的になるのではないか」との声も上がっており、事件は単なる刑事事件にとどまらず、移民受け入れを巡るイギリス社会の緊張を浮き彫りにした。
